2026年3月2日 (2026年3月02日 更新)
カーリースが割高と言われる理由|ローンとの比較やお得に乗る方法を解説
月々の支払額を抑えて新車に乗れるカーリースですが、総額で考えると割高ではないかと感じる方は多いでしょう。カーリースの月額料金は、契約満了時の車両価値である「残価」をあらかじめ差し引いた車両費に加え、税金やメンテナンス費などあらゆる費用が加味されたうえで算出されます。
そのため、契約期間中に支払う料金を算出しただけでは、割高かどうかは判断できません。
本記事では、カーリースが割高と言われる背景について、仕組みを踏まえたうえで詳しく解説します。割高にならずにカーリースを利用する方法も説明しているため、車の購入方法にお悩みの方は参考にしてください。
カーリースの料金形態
カーリースの契約にあたり重要となるのが、月額料金の算出根拠となる契約方式に違いがあることです。カーリースの主な料金形態は、以下の2つです。
- オープンエンドの場合
- クローズドエンドの場合
それぞれメリットデメリットが異なるため、順番に見ていきましょう。
オープンエンドの場合
オープンエンド方式とは、リース契約の際に設定される車両の残価が契約者に公開されている契約形態を指します。契約が満了したタイミングで返却された車両の査定額と、契約時に定めた設定残価との間に差額が生じた場合、残価精算としてリース会社から追加で費用を請求されます。
反対に、中古車市場の状況により査定額が残価を上回った際は、差額が契約者にキャッシュバックされるケースも珍しくありません。将来的な車両価値の変動リスクを契約者が負う代わりに、月々の支払額はクローズドエンド方式と比較して安く設定される傾向にあります。
クローズドエンドの場合
クローズドエンド方式とは、契約が終了する時点での車両の残価を、リース会社が契約者に公開しない状態で契約する方式です。原則として、契約満了時に市場価格がどれほど下落していたとしても、契約者が車両の残価精算を求められることはありません。
中古車価格が急落した際のリスクをリース会社側がすべて負担するため、利用者は最後まで追加費用のことを考えずに車を利用できます。その分、リース会社のリスクヘッジとして月々の利用料金はオープンエンド方式よりも高めに設定されることが一般的です。
返却時の突発的な出費を避け、家計や事業の支出を一定に保ちたいリスク回避型の方に最適な選択肢と言えます。
関連記事:『オープンエンドとクローズドエンドの違いやメリット・デメリットを解説!』
カーリースが割高と言われる理由
カーリースは月々の負担が軽く見える一方で、割高だと感じる方が一定数います。主な理由は、以下のとおりです。
- 契約満了後に自分の車にならない
- 残価精算が発生する場合がある
- 走行距離制限がある
- 中途解約で違約金が発生する
ひとつずつ解説します。
契約満了後に自分の車にならない
カーリース契約において、車の所有権はリース会社が保有しており、利用者はあくまで車両を借りている立場となります。ローンで購入した場合は、支払いが完了した時点で車が自分の資産になるのに対し、リースでは基本的に店舗へ返却しなければなりません。
「長期間にわたりトータル数百万円もの料金を支払い続けたのに、手元に何も残らない」という点から、割高に感じる方は一定数います。
一方で、近年では契約満了時に車両がそのままもらえるプランや、安価で買い取れるオプションを用意しているリース会社も増えてきました。そのため、最終的に自分の手元に車を残したい方も、カーリースを選択肢として残すことをおすすめします。
残価精算が発生する場合がある
オープンエンド契約を選択しているケースでは、契約終了時に残価精算を求められる可能性があることも、割高に感じられる要因のひとつです。車両に大きな傷やへこみがある場合や、事故によって修復歴がついた際は、車両の価値が想定よりも大幅に低下します。
また、中古車市場における人気車種が低下したために、数万円から数十万円単位の支払いが生じることもあります。
契約時に残価精算の仕組みについて十分な説明を受けていないと、契約満了時に高額な費用を請求されるという事態になりかねません。追加請求のリスクをゼロにしたいのであれば、残価精算が原則として発生しないクローズドエンド方式を優先的に検討しましょう。
走行距離制限がある
カーリースでは、車両の価値を一定水準に維持するために、月間や年間での走行距離に上限が設けられていることがほとんどです。月500~1,500km程度が目安となっており、超過した距離に応じて追加料金を請求されます。
通勤距離が長い方や長距離のドライブを頻繁に楽しむ方は、制限距離を常に気にするストレスを感じるかもしれません。
一方で、特定のサービスでは走行距離を無制限にするオプションや、上限を通常より拡大できるプランも選べるようになっています。
契約前に自分自身の平均的な運転距離を正確に算出しておけば、利用開始後に追加費用が発生して割高になるリスクを最小限に抑えられるでしょう。
中途解約で違約金が発生する
カーリースは数年単位の利用を前提とした契約であるため、原則として契約期間の途中で解約することは認められていません。万が一、転勤や家族構成の変化、予期せぬ収入の減少などで解約が必要になった際は、残りの期間分の料金を違約金として支払う必要があります。
ローン購入であれば、車が必要なくなった時点で車両を売却し、その代金を残債の返済に充てるといった柔軟な対応が可能となります。
サービスによっては中途解約が可能な特約付きプランはあるものの、その分だけ月額料金が高めに設定される傾向があります。
一方で、今後起こりうるライフイベントの見通しが立っている場合は、そこに合わせて契約期間を選ぶ方法もあります。例えば、もう少しで子どもが独立する年齢の場合は「数年程度は大きめの車を契約し、独立したタイミングで小さな車に乗り換える」といった使い方です。
車を購入する際は、今後起こりうるライフイベントを洗い出したうえで、そこに適した購入方法を決めると良いでしょう。
関連記事:『カーリースの途中解約できる?違約金が発生する条件と対処法を解説!』
カーリースの月額に含まれている費用
カーリースの月額料金は、以下の費用が含まれたうえで算出されています。
- 車両代
- 税金
- 自賠責保険料
- 車検費用
- メンテナンス費用
他の購入方法と比較する際は、これらそれぞれにかかる費用を加味したうえで考えなければ、割高かどうか判断できません。各費用について順番に解説します。
車両代
月額料金の中でも大部分を占めるのが車両本体価格ですが、カーリースでは「車両価格から残価を引いた額」を契約月数で割って計算します。あらかじめ数年後の価値を差し引くため、車両の全額を分割払いする一般的なローンよりも一回あたりの支払額を抑えられます。
多くのプランで頭金が不要となっており、まとまった貯金を取り崩すことなく最新の車種に乗り始められる点は大きな魅力と言えます。
装備するナビゲーションシステムや安全装置などのオプション、グレードなども、月々の支払額が変動する要因です。
月額料金を抑えたいのであれば、車両価格が安いモデルやグレードを選びましょう。
税金
車両を維持するうえで避けて通れない自動車税や重量税などの税金も、あらかじめカーリースの月額料金に組み込まれています。 通常、車を所有していると毎年送られてくる納税通知書に従って支払い手続きを行います。
しかし、リースではリース会社が代わりに納税してくれるため、契約者が手続きをする必要がありません。うっかり支払いを忘れてしまったり、納付書を紛失したりする心配もなくなります。
自動車取得時にかかる環境性能割なども月額に反映されるため、購入時に発生する複雑な税計算を意識せず、フラットな支出を維持できるでしょう。
自賠責保険料
法律によって加入が義務付けられている自賠責保険料も、多くのカーリースサービスにおいて月額料金に含まれています。自賠責保険とは、被害者を守るためにすべての自動車が加入を義務付けられている保険です。
自賠責保険は本来、車検の際に数年分をまとめて支払う費用ですが、リースでは月額料金に含まれるため支払いを分散させられます。
ただし、任意保険については月額料金に含まれないケースが多いため、別途加入を検討してください。なお、近年では任意保険を月額料金に一本化できるプランも出てきています。任意保険を手続きする手間を省きたい方は、月額料金に含められるプランを選びましょう。
車検費用
2年または3年ごとに発生する車検費用も月額料金に含まれており、車を保有するうえで支出を均一化できます。車検時には法定費用のほか、点検整備に付随する技術料や部品代として、一度に10万~15万円程度の多額の現金が必要になります。
突発的な大型支出を心配せずに済むため、家計や事業の資金繰りが非常に楽になるでしょう。車検の際はリース会社から案内が来るため、受け忘れる心配もありません。
ただし、一部の格安プランでは車検費用が含まれていない場合もあるため、契約内容が「車検込み」であるかを事前に確認してください。
メンテナンス費用
メンテナンス費用はオプションとなっていることが多く、付帯することで以下のような整備費用を月額に含められます。
- オイル交換
- タイヤの履き替え
- バッテリー交換など
消耗品の交換時期が近づくと、リース会社から提携の整備工場での点検案内が届くため、メンテナンスを忘れる心配をせずに済みます。定期的に整備しておくことで、故障による急な修理費用の発生を防ぎ、常に安全な状態で車を運転できるでしょう。
少しでも月額費用を抑えたい方は、メンテナンス込みのオプションを外すことを検討することをおすすめします。
カーリースとローンでの支払額の違い
カーリースとローンでどれだけ支払額に差が生じるのか、気になる方も多いでしょう。両者とも長期にわたり車の費用を支払うため「最終的に自分の所有物になるローンのほうがいいのでは?」と考えるのも無理はありません。
そこで、カーリースとローンそれぞれでの支払い額の違いをシミュレーションしてみました。今回は以下の4車種を比較します。
- トヨタ「ハリアー」
- ホンダ「フリード」
- スズキ「ハスラー」
- ホンダ「N-BOX」
なお、シミュレーションの条件は以下のとおりです。
- ローンの金利は年2.5%で計算
- ハリアー・フリードはNORIDOKIの料金体系を採用
- ハスラー・N-BOXはセブンマックスの料金体系を採用
トヨタ「ハリアー」
トヨタ「ハリアー」の支払い額は、以下のとおりです。
| 3年 | 5年 | 7年 | 9年 | |
| カーリース | 64,900円(2,336,400円) | - | - | - |
| ローン | 149,790円(5,392,458円) | 92,108円(5,526,525円) | 67,413円(5,662,748円) | 53,714円(5,801,130円) |
()内は期間中の支払総額
車種はZ“Leather Package・Night Shade”(ハイブリッド車 2WD)で本体価格5,190,900円(税込)
月支払額は5年以内では圧倒的にカーリースのほうが安く抑えられます。ローン返済期間7年で同額程度になるものの、カーリースのほうは税金や維持費などが含まれているため、ローンのほうが割高と言えます。
ハリアーについては以下の記事で詳しく解説しているため、車選びの際の参考にしてください。
ハリアーは実際どうなの!?ハリアーの燃費と走行性能について徹底解説!
ホンダ「フリード」
ホンダ「フリード」の支払額は、以下のとおりです。
| 3年 | 5年 | 7年 | 9年 | |
| カーリース | 50,600円(1,821,600円) | - | - | - |
| ローン | 92,933円(3,345,609円) | 57,146円(3,428,790円) | 41,825円(3,513,307円) | 33,325円(3,599,154円) |
()内は期間中の支払総額
車種はFREED e:HEV AIR EXで本体価格3,212,000円
フリードの場合はローン返済期間が7年の時点で、月支払い額はローンのほうが低めに抑えられます。
スズキ「ハスラー」
スズキ「ハスラー」の支払額は、以下のとおりです。
| 3年 | 5年 | 7年 | |
| カーリース | 月額15,400円ボーナス33,000円(年2回)(752,400円) | 月額15,400円ボーナス33,000円(年2回)(1,254,000円) | 月額15,400円ボーナス33,000円(年2回)(1,755,600円) |
| ローン | 50,507円 (1,818,264円) | 31,057円(1,863,470円) | 22,731円 (1,909,404円) |
()内は期間中の支払総額
車種はHYBRID Xターボ2WD・CVTで本体価格1,750,100円
7年で比較しても、総支払額は15万円以上ものカーリースのほうが低いです。
ホンダ「 N-BOX」
ホンダ「N-BOX」の月支払額は、以下のとおりです。
| 3年 | 5年 | 7年 | |
| カーリース | 月額17,600円ボーナス33,000円(年2回)(831,600円) | 月額17,600円ボーナス33,000円(年2回)(1,386,000円) | 月額17,600円ボーナス33,000円(年2回)(1,940,400円) |
| ローン | 50,218円(1,807,875円) | 30,880円(1,852,820円) | 22,601円(1,898,491円) |
()内は期間中の支払総額
車種はN-BOX Base Grade〈FF〉で本体価格1,739,100円
N-BOXの場合、7年で比較すると総支払額はローンのほうが低いという結果となりました。税金や維持費を含んだ金額のため、実際にはカーリースのほうが実質的に安い場合もあります。
カーリースをお得に乗る方法
カーリースは車両価格だけでなく税金や維持費なども含まれているため、割高に感じる方もいるでしょう。しかし、以下のポイントを押さえればお得に車に乗れます。
- 残価精算を避けるならクローズドエンド
- 車を買い取りたい場合はオープンエンド
- 走行距離無制限や中途解約できるオプション・プランを選ぶ
ひとつずつ見ていきましょう。
残価精算を避けるならクローズドエンド
契約終了時の追加支払いを避けたい方は、残価精算のリスクが原則として存在しないクローズドエンド方式を選んでください。市場価格の変動や日常的な使用に伴う多少の査定額の下落を気にする必要がなくなり、精神的な負担を大きく減らせます。
月々の支払額はオープンエンド方式に比べてやや高くなるものの「最後に追加請求されないための安心料」と捉えられる方にとっては選択肢となりえます。
家計や会社の予算を正確に管理したい方にとって、不透明な精算金が発生しない点は、月額の差以上の価値を持つでしょう。
車を買い取りたい場合はオープンエンド
将来的にその車を買い取って「ご自身の資産にしたい」「長く乗り続けたい」という希望がある場合は、オープンエンド方式が向いています。オープンエンド方式であれば、プランによっては契約満了時に設定された残価を支払うことで、車両の所有権をご自身のものに変更できます。
また、月額料金そのものを安く抑えやすいため、毎月のキャッシュフローを最優先したい場合に有利な選択肢となります。
ただし、残価精算の際に不利な条件にならないよう、日ごろから車両の傷や汚れに気を配り、丁寧な運転を心がけることが必要不可欠です。月額料金は少し上げるものの、車両価格の下落を抑えるためにメンテナンスが手厚いプランに加入するのも、有効な戦略となるでしょう。
オープンエンド方式とクローズドエンド方式の違いについては、以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。
関連記事:『オープンエンドとクローズドエンドの違いやメリット・デメリットを解説!』
走行距離無制限や中途解約できるオプション・プランを選ぶ
ライフスタイルの変化に備えられるように、走行距離無制限や中途解約を認める特殊なオプションを選択することも検討してみてください。例えば、通勤時間が長い方や長距離運転をする機会が多い方は、走行距離制限を超過する可能性が高くなります。
初期の月額料金は高くなるものの、解約時に発生する多額の違約金や、走行距離オーバーの超過料金を支払うリスクを最小限に抑えられます。
走行距離無制限や中途解約が可能なオプション・プランを選ぶかどうか判断するポイントは、以下の3つです。
- ひと月の平均走行距離は制限内に収まるか
- 契約期間中に引っ越しや家族構成の変化が起こる可能性はあるか
- 事故や故障による強制解約時の精算ルールはどうなっているか
ご自身の運転環境を客観的に分析することで、後悔のないカーリースライフを実現できるでしょう。
まとめ
カーリースが割高と感じる方が多い主な理由は、残価精算や走行距離制限の超過などにより、後になって多額の費用を請求されるケースがあるためです。実際に、契約内容や契約者の乗り方によっては、後になって費用を請求されることは珍しくありません。
一方で、ローンで購入した場合と比べると、総支払額はカーリースのほうが安く済むケースもあります。
「カーリースは割高」と考えず、ご自身の現時点および将来のライフスタイルを考慮して、最適な購入方法を選んでみてください。