2021年11月8日 (2022年5月20日 更新)
その事故車、買っても大丈夫? 修復歴の基準と見極め方をチェックしよう
新車価格よりも安価に買える中古車。どうせならなるべく安い車を買いたいですよね。
しかしあまりにも安すぎる中古車のなかには事故車が含まれている可能性もあります。
最低限注意すべきポイントさえ押さえておけば、事故車でも安心して購入することができます。
今回は、なるべく中古車を安く買いたい!と思っている人に向けて、事故車の修復歴の基準と見極め方について詳しく解説していきます。
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ぜひご覧ください。
INDEX目次
事故車の定義、知っていますか?
そもそも事故車とはどんな車のことを指すのかご存知でしょうか。
事故車とは一概に事故を起こしたことのある車を指すわけではなく、必ずしも事故車=修復歴ありの車というわけではありません。
反対に、なにかしらの修理歴がある車だったとしても、「修復歴あり」とは記載されていないこともあります。
「車のどこを修理したか」によって修復歴の有無が決定し、車業界では修復歴のついた車のことを事故車と呼んでいるのです。
覚えておきたい車の「◯◯歴」
中古車業界でよく聞く3つの「〇〇歴」についてチェックしておきましょう。この3つは似て非なる言葉なので、しっかりと定義を知っておくと安心です。
事故歴(事故車)
車業界では修復歴のある車のことを事故車と呼びますが、中古車販売店などで「事故歴のある車」と言われたら「交通事故にあったことのある車」または「災害にあった車」のことを指すと考えて良いでしょう。事故があったというだけでは修復歴があるとは限りません。
また事故歴は告知義務がないため、販売店側も事故歴があるかどうかについては知らなかったり、知っていても申告しない場合もあります。
修復歴
事故の有無にかかわらず、なにかしらの理由で車の骨格部分を修理した過去があると車には「修復歴」がつきます。
骨格は車を支える重要な基幹にもなるため、修復歴がある車の購入は注意が必要です。
修復歴については販売店側に告知義務が課せられており、消費者は修復歴があることを理解したうえで購入するということになります。
修理歴
車体全体を見たときにどこかしらを修理したことがある車には、「修理歴」がつきます。
例えばバンパーをこすったので塗装しているというようなケースでも修理歴ありになりますが、修理歴の有無は買取評価に直接影響しません。中古車販売店では修理歴に関しても告知義務がないため注意が必要です。
修復歴のある車の基準
修復歴の基準について、「交通事故やその他の災害により、自動車の骨格部分等に欠陥を生じたもの、またはその修復歴のあるもの」という定義を日本自動車査定協会または自動車公正取引協議会などの正式な中古車査定協会において設けています。
交通事故だけでなく災害による損傷においても同様に取り扱われるため、必ずしも運転者の過失で欠損したものとは限りません。
車の骨格部分とは
車の骨格部分とは、主に車の外側部分のことを指します。車の多くはモノコック構造といっていわゆるフレームレスボディです。外板そのものに強度を持たせ衝突による衝撃を車全体に分散させることで、内部に衝撃を与えないようなつくりとなっています。
以下に挙げる8ケ所が車の骨格部分に値します。
- フレーム(サイドメンバー)
- クロスメンバー
- インサイドパネル
- ピラー
- ダッシュパネル
- ルーフパネル
- フロア
- トランクフロア
※ねじ止め部分は骨格になりません。
参考:日本自動車査定協会
修復歴がついてしまったらどうなる?
もしも自分の愛車に修復歴がついてしまった場合、車は廃車にするしかないのでしょうか。
実際には修復歴のある車でも中古車市場には需要があるため、正しい査定により買取価格がつきます。どのパーツの修復歴があるのか、損傷の度合いなどによっても買取価格に違いがありますが、どちらにせよ修復歴のない車に比べると圧倒的に査定額は下がってしまうでしょう。
そのため中古車市場に出回る際にも比較的安価な値段で売り出されています。
中古車市場において修復歴のついた車は安くなりますが、実際に購入する際にはどういった点に気をつけなければいけないのでしょうか。
修復歴ありの中古車を購入するメリット・デメリット
続いて、修復歴のついた中古車を購入するメリットとデメリットについて見ていきましょう。
最大のメリットは安く購入できること
修復歴のある車は一般的に嫌がられる傾向にあり、それなりに価格を押さえないと買い手がつかないといわれています。
そのため他の中古車と比べても修復歴のある車の方が安く購入できる傾向にあります。
最大のデメリットは安全性
修復歴のついた車に乗るデメリットとして、「安全性が担保されない」といった点が挙げられます。修復歴があるということは骨格部分を損傷しているため、何かしらの支障が生じる可能性があるでしょう。骨格部分は修理しても完全に元の状態に直すことはできません。車体の歪みが影響してハンドル操作がぶれたり、フレームの接合不良により衝撃を吸収しきれず事故によるダメージが大きくなったりと、さまざまな危険性が懸念されるでしょう。
中古車の修復歴の見分け方は?
中古車の修復歴の有無はどのように見分ければ良いのでしょうか。中古車購入の際、大事な部分にもなるので詳しくチェックしていきましょう。
目視で確認する方法
ドアにがたつきがないか、ボディーパーツに隙間がないかを確認してみましょう。万が一歪みを発見した場合は修復歴がある可能性があります。車体を正面から見て左右非対称でないかどうかも目視で確認しやすいポイントでしょう。
ただし修復歴や修理歴のある車はパッと見るだけでは分かりにくいかもしれません。しっかりと販売員に確認することが最善の確認方法だといえるでしょう。
修復歴は記載義務がある
修復歴に関しては記載し、消費者に対して説明する義務があります。そのため修復歴の有無は本来こちらから聞かなくても申し出てくれるもの。しかしなかには販売員が見落としている可能性もあるため、気になることはこちらからもしっかりと聞くことが大切です。
修復歴の確認には規定の書類があるので必ず見せてもらい、販売員と一緒に確認しましょう。
車両検査表・査定表の「R点」の有無
中古車の購入を考えている人は、その車両の検査表または査定表を事前に見せてもらうよう販売員に依頼しましょう。査定表の総合評価が「R」となっていたら修復歴があると判断することができます。
そもそも査定表を見せてくれなかった場合は、その店舗での購入は避けたほうが良いかもしれません。
事故車には「R点」は記載されない
査定表に「R」と記載されるのはあくまでも「修復歴」がついている場合のみ。事故歴や修理歴のみの場合R点は記載されず、査定表を見るだけでは確認できないため注意しましょう。
「修復歴あり」の中古車を選ぶときの注意点
たとえ修復歴があっても、きちんと修理されていれば問題なく乗れる場合もあります。価格の安い修復歴ありの車を選びたいという人は、以下に記載する注意点を参考に検討してください。
必ず試乗して確かめる
これは修復歴の有無にかかわらずすべての車にいえることでもありますが、特に修復歴のある車に関しては必ず試乗して乗り心地を確かめることが大切です。
走行中に異音がしたり、ハンドルがやけにぶれたりするなど、安全に走行できないと判断した場合は購入を控えたほうが無難でしょう。
車両検査表が付いている車から選ぶ
正規の中古車販売店で購入する際には問題なく検査表が提示されると思いますが、最近ではネットオークションやフリマアプリなどを利用した個人間での取引も多くあるでしょう。
こうした個人間のやりとりでは正式な査定を受けていない車もあるため、トラブルを避けるためにも車両検査表がついている車から選ぶことをおすすめします。
中古車販売店で検査表がもらえない車に関しては、危険ですので購入は控えましょう。
修復歴が不安でも予算がない時はカーリースもおすすめ
修復歴のある車は安全性が担保されないため購入は不安がつきものでしょう。いつ故障するかも分からず、せっかく買っても数年後には買いなおさなければならないなんていうことも。
こうしたリスクを避けるためにも、特に予算面から修復歴ありの車を選ぼうとした人にはカーリースを検討するのもおすすめです。
カーリースは月額料金のみで新車に乗れるサービス。車の購入にかかる初期費用や税金、さらには車検費用も月額に含まれているため、まとまった費用を用意する必要がありません。
新車なので故障リスクも少なく、メンテナンスパックを使えば手厚いサポートも受けられて、安心のカーライフを送ることができます。
まとめ
今回は、なるべく中古車を安く買いたいと思っている人に向けて、事故車の修復歴の基準と見極め方について詳しく解説してきました。
修復歴があると安く購入できるメリットがありますが、その分安全性には欠けるデメリットがあるのも事実。たび重なるメンテナンスにコストがかさむ恐れもあり、結果的に莫大な費用がかかる可能性も否めません。
それでも修復歴がついた車の購入を検討する際には、「査定表のチェック」と「試乗」の2点を忘れずに行ってくださいね。
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