今車は一家に1台は保有していると言われる程、便利で快適な生活を送るためのツールとして浸透していますが、車の台数が増えたことで事故も増加していきました。
近年では、交通事故の減少を目指して各メーカーでの安全装置の開発は進み、必要性が謳われています。
今回は車の安全装置や機能の種類やメーカーごとの代表例について解説していきます。
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ぜひご覧ください。
INDEX目次
近年、車の安全性能が重視されている背景
車での悲惨な事故は毎日のようにどこかで起こっています。近年では、車の安全性能によるサポートがドライバーの疲労軽減や判断ミスを回避した結果、事故の減少に貢献しているのです。
それを立証するのが令和3年に警視庁交通局が発表した「令和2年における交通事故の発生状況等について」での数値です。
- 死者数 2,839人(前年比-376人、-11.7%)
- 重傷者数 27,774人(前年比-4,251人、-13.3%)
※状態別死者数では歩行中が減少するも最多 - 歩行中死者数 1,002人(前年比-174人、-14.8%、構成率 35.3%)
令和2年1月、国土交通省のホームページにも記載があるように、自動ブレーキが義務化されたことで悲惨な交通事故の軽減に繋がっていることがわかります。
車の安全装置・機能は大きく分けて2種類ある
事故を減らす対策として義務化された安全装置ですが、機能は大きく分けて下記の2種類があります。
パッシブセーフティ(受動的安全)
パッシブセーフティとは、事故が起こったとき人体へのダメージを最小限に抑えるための技術を総称した呼び名です。日本語では、受動的安全といわれます。車だけでなく事故による損傷を最小限に抑えるために安全装置の搭載は必須となっています。そのうえで、自分の身は自分で守るために大きな役割を果たしているものがパッシブセーフティなのです。
アクティブセーフティ(能動的安全)
アクティブセーフティとは、事故を未然に防ぐための安全装置の総称です。車の構造が進化するにつれて、車の事故を防ぐためにアクティブセーフティの役割が重要となりました。2000年代には、主に車の安定性向上や衝突回避などに寄与する技術としてこの言葉が用いられるようになりました。
パッシブセーフティ(受動安全)の代表例
車におけるパッシブセーフティには、下記のような装置が代表的な装置として挙げられます。
SRSエアバック
SRSエアバッグは、シートベルトの補助として車に乗っている人を保護する装置です。SRSエアバッグは、シートベルトをしていない状態では作動しません。
SRSエアバッグがあるからといって、シートベルトをしないのではなく、SRSエアバッグを装備した車に乗るときもシートベルトの着用はしっかりと行いましょう。
3点シートベルト
3点シートベルトは、肩から斜めに腰までと腹部を横に覆うベルトのことをいいます。一般的に運転席や助手席のベルトは3点シートベルトです。
後部座席には腹部のみの2点ベルトが搭載された車もあります。
チャイルドシート
チャイルドシートは、乳幼児が車に乗車する際に身を守るための装置です。日本では、2000年4月1日に改正された道路交通法第第71条の3第3項でドライバーは6歳未満の幼児を自動車に乗車させる際に必ずチャイルドシートを使うことが義務となりました。仮に、違反をした場合には、違反行為となり減点1が科せられます。
衝撃吸収構造ボディ
衝撃吸収構造ボディは、事故で車が受ける衝撃を分散したり吸収させることで車内にいる人や歩行者へのダメージを軽減させる構造のことです。ボンネットやトランクを潰れやすくした分、車内空間を保ち車内への衝撃が少なくなります。
アクティブセーフティ(能動安全)の代表例
次に、アクティブセーフティの代表例を挙げていきます。
ABS(アンチブロック・ブレーキシステム)
ABSとは、Anti-lock Brake System(アンチロック・ブレーキシステム)の頭文字を取ってつけられた安全装置です。急ブレーキをかけるとタイヤにはロックがかかり自力走行が不能となります。その結果、車は制御が効かずスピンや暴走を起こすのです。ABSは、この危険を回避するため、急ブレーキ時とタイヤをロックさせずタイヤの横滑りを防いだり、障害物をハンドル操作で回避できるように作られた装置です。
ESC(横滑り防止装置)
ESCは、Electronic Stability Control(エレクトロニック・スタビリティ・システム)の頭文字を取ってつけられた安全装置です。車が旋回した時に起こる横滑りを防止、スピンを回避する装置です。
ACC(全車速域定速走行・車間距離制御装置)
ACCは、Adaptive cruise control(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の頭文字を取ってつけられた安全装置です。先行車との距離を一定に保つために自自動的にスピードを調整してくれる装置です。ACCが働くことで追突事故を防止します。
CMBS(衝突被害軽減ブレーキ)
CMBS は、Collision Mitigation Brake System(コーション・ミチゲーション・ブレーキ・システム)の頭文字を取ってつけられた安全装置です。本田技研工業によって開発された追突を自動で回避する装置で、追突の危険を検知すれば警告音と共にインパネに表示が出るようになっています。
誤発進抑制機能
最近、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が増えています。誤発進抑制機能は、前方に障害物を確認したうえ、停車時や10km/h以下の低速走行でドライバーがアクセルペダルを踏んだ場合、急な発進を防止します。
メーカー別にみる安全装置・機能の紹介
車の安全装置は、ドライバーや搭乗者の安全を確保するための役割を担っています。各メーカーでは、安全性能を重視した車が発表され事故防止に尽力しているのです。
それでは、メーカー別にみる安全装置や機能について見ていきます。
トヨタ「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」
トヨタは、死亡事故の約7割が「歩行者事故」「正面衝突・車線逸脱」そして「追突」に分類されると提言しています。これらの事故をカバーする先進の予防安全パッケージがトヨタセーフティセンスです。
- 自動(被害軽減)ブレーキ
- ハンドル操作サポート
- 追従ドライブ支援機能
- 車線はみ出しアラート
- 自動ハイビーム
- 標識読み取りディスプレイ
- 先行車発進アラーム
最近では、トヨタ車の大半に上記の装置が搭載されています。トヨタセーフティセンスが、事故のない安全な運転を実現しているといっても過言ではありません。
ホンダ「Honda SENSING(ホンダセンシング)」
ホンダでは事故ゼロを目指して安全装置の開発に取り組んできました。その結果、下記の安全運転を支援する13の機能が誕生したのです。
- 衝突軽減ブレーキ
- 誤発進抑制機能
- 歩行者事故低減ステアリング
- 路外逸脱抑制機能
- アダプティブクルーズコントロール
- 車線維持支援システム
- 先行車発進お知らせ機能
- 標識認識機能
- 後方誤発進抑制機能
- 近距離衝軽減ブレーキ
- オートハイビーム
- アダプティブドライビングビーム
- トラフィックジャムアシスト
これらが「心から安心してあらゆる人がどこへでも移動できる社会を」という理想を叶えるためにホンダが開発した安全装置の技術です。
日産「インテリジェント エマージェンシー ブレーキ」
日産のインテリジェントエマージェンシーブレーキは、前方の状況を把握して車両や歩行者との衝突を回避、または衝突によるダメージを最小限に抑える技術です。
- ハイビームアシスト
- インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)
- 後退時車両検知警報(RGTA)
- インテリジェントトレースコントロール
上記の安全装置によって自分だけでなく相手車や歩行者への事故も回避する操作を促します。
マツダ「i-ACTIVSENSE(アイアクティブセンス)」
「危険な状況に陥ってから対処するのではなく、危険自体を回避する」のコンセプトに基づき開発されたのがi-ACTIVSENSEです。
- 走行時の安全をサポート
- 発進・後退時の安全をサポート
- 夜間の安全運転をサポート
- ドライブ危険認識を促進
- 走行時の運転負担を軽減
これらを車の大きさを問わずサポートや促進、軽減することで安全性能に差のつかない車を目指しています。
三菱「e-Assist(イーアシスト)」
三菱e-Assist(イーアシスト)は、先進技術を駆使しめ安全運転をサポートするために作られた先進安全装置です。
- 衝突被害軽減ブレーキシステム
- 踏み間違い衝突防止アシスト
- 車線逸脱警報システム&車線逸脱防止支援機能
- オートマチックハイビーム
上記の安全装置を全て搭載することにより、日中の走行中だけでなく、駐停車時や夜間走行でも安全な走行を促してくれます。
安全性能も考えた車選びを!
車を選ぶ際には、車種やボディカラーを重視しがちですが、ドライバーの体調や天候などで日頃とは違う走行をしてしまう可能性もあります。事故を起こしてドライバーや搭乗者、周りの人や物全てに大きな被害をもたらすことはあってはならないことです。
車選びは、安全性能についてもしっかりと考えたうえで事故を起こさないための車を選択肢に入れておきましょう。
まとめ
今回は、車の安全装置や機能の種類、メーカーごとの代表例をご紹介してきました。
車は、事故が起こった時に身を守るパッシブセーフティと事故を最小限に抑えるためのアクティブセーフティがあります。事故の被害者を増やさないため、各メーカーでは安全性能の重要性を訴えています。
車選びの際、見た目やボディカラーを優先したくなりますが、自分や周りの人や物を守る意味でも、安全性能についてよく認識したうえで車を選びましょう。
ブレーキアシストについては以下の記事で特集していますので、是非御覧ください。
クルマの安全装備の1つ「ブレーキアシスト」の仕組みとは?自動ブレーキとの違いや搭載車をご紹介
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