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車選び

2022年10月7日 (2022年10月25日 更新)

OEM車とは?購入するメリット・デメリットや主要OEM車を一覧で紹介

OEM車とは?購入するメリット・デメリットや主要OEM車を一覧で紹介

うちの車と同じ車種なのに、なぜかエンブレムが別のメーカー。そんな車を見かけたことはないでしょうか。その車はおそらくOEM車です。

OEM(Original Equipment Manufacturing)車とは他社で開発・製造したクルマを自社ブランド扱いで販売している車のことです。以前に比べて最近はそういったOEM車が増加の傾向です。それはなぜなのでしょう。

今回はそんなOEM車について、どんな車種があるのか、またOEM車を購入することに関してどんなメリットやデメリットがあるのかについて解説します。

OEM車とは?

OEM車とは?

そもそもOEM(Original Equipment Manufacturing)とは他社ブランドの製品を別のメーカーが製造すること(あるいはその企業)のことを指した略称です。アパレルから化粧品や家電、さらに食品まで、さまざまな業界で広く普及している手法です。

自動車も同じで、他社が開発製造した車種を提供してもらい、それに自社のバッチ(エンブレム)を装着して販売している車がOEM車です。

代表的なものでいうとダイハツの「ロッキー」です。ロッキーはダイハツが開発製造している車ですが、これがトヨタにOEM供給され、それが「ライズ」というトヨタブランドの車として販売されています。

この場合OEM(オリジナル製品の製造業者)受託側がダイハツで、委託側がトヨタという関係になります。逆にトヨタがOEM受託側となり「カムリ」をダイハツにOEM供給し、それがダイハツでは「アルティス」として販売されていたりもします。

OEM車と似たようなものに「共同開発車」というものもあります。違いは、OEM車の場合は委託側(供給元)のメーカーのみで開発、製造を行いますが、共同開発車の場合はメーカーどうしで協力しながら開発されているということ。そしてそれぞれのメーカーから別の車名で販売されます。

例えばニッサンの「SAKURA」と三菱の「eKクロスEV」などは共同開発車です。ベースとしては両車同じ車であっても、それぞれのエクステリアデザインを持ち、また機能などの違いもあり、単にエンブレムが違うだけのものではないということになります。

また、スバルの「BRZ」とトヨタの「86」もそうです。エンジンやシャシーなどベースとなっているのはスバルのメカニズムですが、車のデザインや走りのフィーリングなど明らかな違いがあります。

ただし、「86」を製造するのはすべてスバル側で、トヨタは共同開発のみを行っているようです。

【メーカー目線】OEM車のメリット・デメリット

【メーカー目線】OEM車のメリット・デメリット

多くの自動車メーカーどうしでOEMが行われているのはもちろんメリットがあるからです。ではメーカー側から見たOEMのメリットとデメリットは何なのでしょう。

メリット

OEMの受託側、委託側メーカーのメリットとしては以下のようなことが考えられます。

ラインナップを充実させられる

OEMの委託側のメリットとしては例えば、軽自動車を製造していないメーカーであればOEM車として軽自動車を供給してもらうことで自社ブランドのラインナップを拡充できるというメリットがあります。

例えばマツダは現在軽自動車を一切開発製造していません(かつてはオリジナルの軽自動車を開発製造していました)が、マツダブランドの軽自動車は現在5車種も販売されています。それらの軽自動車はすべてスズキのOEM車となっています。

低コストで他社製車を販売できる

またOEMの委託側は、自社のリソースを使わずに別の車種を販売することができるので、開発や製造にかかわるコストがかかりません。

自社に製造ラインのない種類の車、例えば自社製軽自動車を持たないトヨタが、ダイハツにOEMの委託をすることで、自社の販売網で軽自動車を販売できるということになります。

他社メーカーに供給することで販売台数が増加する

OEM車の受託側(供給元)にもメリットがあります。まず自社だけでなく他社分の生産を行うことになるので大量生産が可能となりコストダウンが図れるということ。

そして、もちろん同じ車を別の会社でも販売することでトータルでの売り上げアップも期待できるわけです。

デメリット

メリットがあれば、逆にデメリットもあります。OEMの委託側、受託側のデメリットとしては以下のようなことが考えられます。

オリジナル車よりグレードが制限されてしまう

まず委託側としては、OEM車の生産を供給元に任せているので、希望通りのグレードを供給されない可能性があります。

受託側(OEM車の供給元)としては、売れ筋グレードなどは自社ブランドで販売したほうがメリットがあるので、同じ車種であっても、委託側ではグレードのバリエーションが制限されてしまう可能性があります。

余剰在庫を抱える可能性がある

OEM車は受託側(OEM車の供給元)が生産し、その製造に関してのコントロールはOEM車の供給元が行い、供給先からは発注された数がOEM供給先に提供されることになります。

供給されたOEM車の売れゆきは供給先の販売能力に当然依存します。もしそのOEM車の売れ行きが悪ければ、自社生産であれば生産数のコントロールができますが、OEMの場合はそれができず、余剰在庫として残ってしまう可能性があります。

【購入者目線】OEM車のメリット・デメリット

【購入者目線】OEM車のメリット・デメリット

メーカー側ではなく、購入者側から見たOEM車を購入することのメリットとデメリットは何なのでしょう。

メリット

あえてOEM車を選ぶメリットとしては、以下のようなことが考えられます。

オリジナルよりも安く購入できる可能性がある

製造メーカーのオリジナルの車両とOEM車は基本的にはバッヂ(エンブレム)以外は同じ車です。そのため、新車価格もほぼ同じです。そして、全てのケースではないですが、OEM車のほうがより大幅な値引き対象になる場合があります。

つまり、その分安く買える可能性があるということです。特にメーカーにこだわりがない人は、オリジナルメーカーのディーラーとOEM車を扱うメーカーのディーラーで、値引額を競わせてなるべく安く購入するという選択肢もあります。

車の選択肢の幅が増える

オリジナルとOEM車は基本的には同じ車です。しかし、グリルなど一部デザインや標準装備などが異なるものもあります。ということは考え方によっては、同じ車種でも選択肢が増えるというとらえ方も可能です。また、購入可能なディーラーの選択肢も増えるということになります。

オリジナルよりも納期が早い

これはすべてのケースに当てはまるわけではありませんが、OEM車は、オリジナルより人気が比較的低いものが多いため、納期待ちが少なくオリジナルの車よりも納期が早く購入できる可能性があります。

デメリット

OEM車をあえて選ぶことには、メリットがあればデメリットも存在します。それが以下のようなことです。

OEM車をダサいと言う人もいる

人によってはそのメーカーのオリジナルの車ではない、ということからOEM車をダサいと考える方もいるようです。ただ、これは偏見でしかなく、車自体は全く同じなので気にしなければよいともいえます。

オリジナルよりも下取り価格が安い

OEM車の多くはOEM供給元のオリジナルの車よりも人気が低く、知名度も高くありません。そのため、中古車市場ではオリジナル車よりも低い価格で取引されることも多いようです。そのため、中古車として下取りにだした際にもその下取り価格が低くなってしまうことがあります。

ただし、これもケースバイケースで例えばトヨタの「ライズ」はダイハツ「ロッキー」のOEM車ですが、オリジナルの「ロッキー」よりも、トヨタの「ライズ」のほうが、トヨタの販売力の高さもあって人気が高いという逆転現象が起きています。そういった場合は下取り価格が安くなるということはありません。

OEM車の一覧

OEM車の一覧

現在販売されている各自動車メーカーのOEM車にはどのような車があるのか。ここでは代表的な乗用車のOEM車についてご紹介します。

トヨタのOEM車

トヨタが製造元のOEM車

トヨタでの車名 OEM先の自動車メーカー OEM先の車名
カムリ ダイハツ アルティス
プリウスアルファ ダイハツ メビウス
ラクティス スバル トレジア

トヨタに供給されているOEM車

トヨタでの車名 OEM元の自動車メーカー OEM元の車名
パッソ ダイハツ ブーン
ピクシスエポック ダイハツ ミラ イース
コペンGR SPORT ダイハツ コペン
ライズ ダイハツ ロッキー
ルーミー ダイハツ トール

ダイハツのOEM車

ダイハツが製造元のOEM車

ダイハツでの車名 OEM先の自動車メーカー OEM先の車名
ブーン トヨタ パッソ
ミラ イース トヨタ ピクシスエポック
ミラ イース スバル プレオ+
ムーブ スバル ステラ
タント スバル シフォン
キャスト トヨタ ピクシスジョイ
コペン トヨタ コペンGR SPORT
ロッキー トヨタ ライズ
トール トヨタ ルーミー
トール スバル ジャスティ

ダイハツに供給されているOEM車

ダイハツでの車名 OEM元の自動車メーカー OEM元の車名
アルティス トヨタ カムリ
メビウス トヨタ プリウスアルファ

スズキのOEM車

スズキが製造元のOEM車

 スズキでの車名 OEM先の自動車メーカー OEM先の車名
アルト マツダ キャロル
ワゴンR マツダ フレア
スペーシア マツダ フレアワゴン
ハスラー マツダ フレアクロスオーバー
エブリィワゴン ニッサン クリッパーリオ
エブリィワゴン 三菱 タウンボックス
ソリオ 三菱 デリカD:2

スズキに供給されているOEM車

トヨタでの車名 スズキでの車名
ノア ランディ

日産に供給されているOEM車

スズキでの車名 日産での車名
エブリィワゴン クリッパーリオ

三菱のOEM車

三菱に供給されているOEM車

スズキでの車名 三菱での車名
エブリィワゴン タウンボックス

まとめ

まとめ

今回はOEM車についてご紹介しました。OEMは供給元も供給される側も互いにメリットのある仕組みです。購入する側にとっても、同じ車がより多くの販売店で購入が可能となるわけですし、また昔から付き合いのあるディーラーで、他社の車が買えるというメリットもあります。

なんとなくOEM車はオリジナルよりも値段が高く、性能も少し劣っているのではないか、などと誤解されている方もいるようですが、基本的には全く同じ車ですし、その車を製造していないからといってそのメーカーのディーラーがサポートしてくれないなどということもありません。安心して購入可能です。

但し、OEM車はその車を扱うディーラーにとっては自社開発の車でないため、積極的なセールスが行われない(別の自社開発のオリジナル車をすすめられる)こともあるようです。 また、下取りなどの際に査定額がオリジナル車よりも低くなる傾向もあるようです。そういった点には少し注意が必要かもしれません。

WRITER筆者

飯野 貢司 (いいの こうじ)株式会社ジョイカルジャパン リアル事業部 U-CARSELECT4号草加店 店長

資格・免許
・大型自動車第一種運転免許
・自動車牽引免許
略歴・職歴
TAXジャンボ蓮田店にて中古車販売事業に7年携わる。その後株式会社ガリバーインターナショナル(現:株式会社IDOM)に入社、2年の店舗勤務を経て、本社での新車事業、法人営業、新規企画など様々な分野に携わり合計19年間勤務。現在は株式会社ジョイカルジャパンの新車事業部を経てマーケティング本部商品開発ユニットに配属。
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長年の経験から、自動車に関する知識やアドバイスも行います。試乗レポートなども今後は展開していく予定です。お楽しみに。

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