車関係の情報サイトや、カー雑誌の記事を読んでいると、当たり前のように車の特定の部位を指す専門用語が使われています。そういった用語、車に詳しい方には当たり前なのでしょうが、そこまで詳しくない方にとってはそれが車のどの部分のことを言っているのか、どんなパーツを指しているのかわからないということがあるのではないでしょうか。
またディーラーやカー用品店で、車の不具合を伝えたり、目的のカー用品のことが知りたいというときにも、そのパーツの名前がわからずうまく伝えられなかったという経験がある方もいるかもしれません。
そこで、今回は特に車の内装の部位について、名前や役割についてわかりやすく解説します。詳しい方でも、知っているようで意外に勘違いしているものもあるかもしれません。是非ご一読ください。
INDEX目次
車の内装の名称一覧【図解】
車内を見渡すとハンドルやシート、アクセルペダルといったおなじみの装備品以外にも様々な部品や部位などがあります。
それらがどういったものなのか、ご存じの方も多いとは思いますが、ここでは改めてそれぞれの正しい名称やその役割、機能などについて紹介していきます。
運転席周辺の部位・部品
運転席周りには、車の操作に欠かせない様々な装備品が配置されています。またエアコンやカーナビ、収納ポケットなど車内の快適装備関連の操作スイッチやアイテムなどもあります。
車を運転するために必要な基本的な操作は知っていても、その正しい名称や本来の役割について、実はよくわからないという方もいるかもしれません。そんな運転席回りの操作系の部位の代表的なものは以下になります。
1.イグニッションスイッチ
エンジンの始動や、電気系統をONにするためのスイッチです。キーを差し、回すことでエンジンが始動すします。キーを回す位置によって、エンジン始動、電気系統のON、ACC電源のONなどを使い分けることができます。
2.プッシュエンジンスイッチ
イグニッションスイッチと役割は同じです。スマートキーを車内に持ち込み、このボタンを押すことでエンジンが始動します。ボタンの押し方でエンジン始動、電気系統のON、ACC電源のONなどを使い分けることができます。
3.ハンドル(ステアリングホイール)
左右に回転させることでフロントタイヤの向きを変え、車の進行方向を調整することができます。ステアリング、ステアリングホイールなどとも呼ばれます。多くの場合はハンドル部の中央にSRSエアバッグが格納されています。
4.ホーンスイッチ
車に装備されたホーン(警笛)を鳴らすためのボタン(スイッチ)です。クラクションと呼ばれます。
5.メーターパネル
ドライバーに車の様々な状態・情報を知らせるための各種計器を並べたパネルです。通常は運転席の正面などドライバーが視認しやすい箇所に取り付けられています。
6.ターンシグナルスイッチ
ターンシグナルランプ(ウィンカー)を点灯するためのスイッチです。多くの場合はレバー式になっており、国産車の場合はステアリングの右側(輸入車の場合は右ハンドルでも左側)に取り付けられています。また、レバーにはヘッドライトスイッチ等も装備されています。
7.ワイパー・ウォッシャースイッチ
ワイパーを作動させるためのON/OFFスイッチです。ふき取りスピードの調整や、ウォッシャー液の噴射を操作することもできます。国産車はステアリングホイールの左側に取り付けられており、輸入車はその逆で、多くの場合右ハンドルでも右側に取り付けられています。
8.シフトノブ
車の変速操作を行うためのレバーです。スティック型やレバー型などがあります。MT車の場合は、クラッチペダルとこのノブによってギアをダイレクトに切り替えますが、AT車の場合は、このレバーを操作して『D』レンジや『P』レンジなどの切り替えを行います。
9.カップホルダー
車内に持ち込んだ飲料などがこぼれないよう、ドリンクボトルやカップなどを保持するための装備です。
10.フューエルリッド・オープナー
給油口の蓋(フューエルリッド)のロックを車内から解除するためのスイッチです。オープナーがなく給油口の蓋を直接手動で開閉するものもあります。
11.ボンネットオープナー
ボンネットのロックを解除するためのレバーです。多くの場合は運転席の足元にあります。車によっては助手席の足元や、オープンカーなどの場合はイタズラ防止のためにグローブBOX内に取り付けられている場合もあります。
12.アクセルペダル
右足で踏み込むことでエンジンの回転数(BEVの場合はモーターの回転数)を調整します。足踏み式のペダルになっており上から吊り下げた「吊り下げ式」と、ペダルが床から生えた「オルガン式」があります。
13.ブレーキペダル
車のブレーキを操作するためのペダルです。油圧式でペダルの踏み込む強さによってブレーキのきかせ方をコントロールできます。
14.フットパーキングブレーキ
足踏み式のパーキングブレーキです。駐車時に後輪をロックして車が動かないようにします。シートの横に配置されたレバー式のパーキングブレーキは、ハンドブレーキやサイドブレーキなどと呼ばれます。
運転席・助手席間の部位・部品
運転席と助手席の間のスペースにも様々な部位が配置されています。主に快適装備のための操作スイッチや、収納スペースなどが設けられています。
1.センタークラスター
センタークラスターは、インパネ(インストルメントパネル)の中央、助手席と運転席の間にあるオーディオのヘッドユニットや空調パネルなどがひとつにまとまっている部分です。各種スイッチ類がまとまっており、一体型や独立型など様々なスタイルがあります。
2.レジスター
エアコンの吹き出し口です。車種によりますが主に中央に2つ、左右に1つずつ、そして足元にもあります。
3.デフロスター
ガラスの曇りを除去するための、フロントガラス用エアコン吹き出し口です。A/Cスイッチを入れ、外気導入にすることで曇りが取れやすくなります。
4.シガーソケット
円筒形のソケット形式の電源です。かつてはシガーライターがそなわっていました。スマホ用の充電器やエアーコンプレッサーなど各種電装系アイテムを接続することができます。
5.センターコンソール
センターコンソールは、運転席と助手席のシート間にある装備一式のことを指します。運転席正面のインパネ部分と連続していて、シフトレバーや各種スイッチ類、収納スペースなどが設けられています。
6.ルームミラー
フロントウインドウの上部に設置された車の後方を確認するための鏡です。レバー等により角度を調整可能です。最近はバックカメラの映像をこの部分に映す「スマートルームミラー」というものもあります。
7.ルームランプ
天井部分などに設置された車内を照らすための照明装置です。通常はドアの開閉に連動して点灯する設定となっています。
8.サンバイザー
日差しを遮るための装備です。運転の際に直射日光が視界に入り、まぶしいときなどに使用します。カードホルダーやバニティミラーなどが取り付けられているものもあります。
9.ダッシュボード
運転席や助手席の前方に位置し、フロントガラスの下部分にあるのがダッシュボードです。インパネ(インストルメントパネル)と混同されることも多いですが、ダッシュボードにはめ込まれた計器類やオーディオなどが設置されたパネル部分がインパネです。
10.エアバッグ
事故などで衝撃を受けた際、瞬時に膨らむ袋(エアバッグ)で衝撃の吸収し、乗員を保護する装置です。適切な効果を得るためにはシートベルトの着用が欠かせません。最近は運転席や助手席用だけでなく、サイドエアバッグやカーテンシールドエアバッグ、ドアマウントカーテンエアバッグ、ニーエアバッグなど複数のエアバッグが装備されています。
シート・ドア周辺の部位・部品
車のシート周りの部位にも様々な名称があり、それぞれに役割があります。正しい運転姿勢をとるためには、各役割知っておくといいでしょう。
1.シート
乗員が座る椅子です。乗員ごとに独立したシートと、左右が連結したベンチシートがあります。背もたれの部分をシートバック、座面の部分をシートクッションなどと呼びます。
2.ヘッドレスト
シートの上部に装備された、枕のような形をした頭部を支えるパーツです。事故の際に首にかかる大きな負荷を減らし、頭部を支えて首や頭を守ります。
3.アームレスト
シートのわきに設けられた腕掛けのことです。シートに内蔵されたものと独立したパーツとして設置されたものがあります。内部に小物入れが付いたアームレストなどもあります。
4.アシストグリップ
助手席や後席上部に取り付けられている握り手で、走行中に座った状態で体を支えるために使用します。アシストグリップは走行中に使用するもので、乗降用ではないので、乗り降りの際に使用するのは避けてください。
5.シートベルト
走行中に乗員の体をシートに固定するためのベルトです。走行中は必ず装着することが義務付けられています。一定以上の勢いで引っ張るとベルトがロックするような構造となっています。
6.ドア内張り
ドアの内側をカバーするパーツです。インナードアハンドルやパワーウィンドスイッチ、スピーカーなどがこの部分に取り付けられています。装飾的な意味のほか、断熱や防音の役割もあります。
7.アッパードアトリム
ドアパネルの上部を覆っている部材のこと。
8.ロアドアトリム
ドアパネル下部を覆っている部材のこと。
9.ドアポケット
ドアの車内側に設けられたポケット状の収納スペースです。フロントとリヤのドアそれぞれに設けられていることも多く大きさは車種によって異なります。
10.インサイドドアハンドル
車内からドアの開閉を行うためのハンドルのこと。ハンドルに塗装やメッキなどの装飾が施されているものもあります。
11.サイドシル
ドアの下にある車内と車外を隔てる敷居部分のこと。ドアを開けたときに見えるボディ開口部下にあるフチ部分がサイドシルです。
12.グローブボックス
助手席前の、ダッシュボード下部分にある大型の収納スペースです。その名の通り、もともとはドライビンググローブ(手袋)を収納するためのスペースでした。現在は小物や車検証入れなどとして利用されています。
13.フロアカーペット
車内の床一面に敷かれたカーペットのことです。床面や内装パーツと一体になっており簡単に取り替えはできません。そのため、フロアマットなどを別に敷いて、傷や汚れを防いでいる人が多いです。
14.フロアマット
車内の足元に敷かれたマットです。簡単に取り外しが可能で、装飾の目的でデザイン性の高いものにして、車内を彩ることもできます。フロアカーペットの傷や汚れを防止するためにも使用されます。
まとめ
ご紹介したような車の部位の名称を知っておくと、万が一車が故障したり、何らかの不具合があった場合に、ディーラーや修理工場の担当者にどこに不具合が起きているのかを、正しく伝えることができます。その分スムーズな説明も可能でしょう。
ただし、今回ご紹介した内装の部品や部位の名前、役割はごく基本的なものになります。すべてを覚えておく必要はありませんが、普段から触れることの多い部位に関しては覚えておくといいでしょう。
なお、車種やメーカーによって部位やパーツの形状、名前に多少の違いがあります。マイカーについて、それぞれの部位の正しい名称や役割を知りたいという場合は、車に付属している説明書などで一度確認してみてください。