新車よりも安く買えたり掘り出し物があったりとお得感が満載の中古車ですが、中古といえどもなるべくなら良い車を手に入れたいですよね。中古車購入の際、状態の良い中古車かどうか見極めるひとつの目安となるのが走行距離です。
今回はなるべく状態の良い中古車を買いたいと考えている人に向けて、購入をおすすめできる走行距離の目安について詳しく解説していきます。
走行距離とは
走行距離とはその車がこれまでに通算で何km走ってきたのかを示す数値です。車の寿命は厳密にいえばエンジンの寿命ともいえますが、走行距離はエンジンの寿命をはかる目安のひとつとなります。つまり走行距離は車の寿命に直結する数値であるため、走行距離を見ればその車があと何年走れるのかがだいたいわかることになります。
このとき年式も一緒に確認しましょう。ここでいう年式とは車の製造年ではなく、「初めて車を登録した年」のことを指します。その車が製造された年を年式とすることもありますが、走行距離との関連性をみるときは、初度登録年月から何年で何km走行したのか、といったところを確認します。
中古車の走行距離の目安は？
状態の良いとされる中古車の走行距離の目安について考えていきましょう。
走行距離が少ない車ほど状態が良さそうな印象を抱きがちですが、実際にはどうなのでしょうか。基本的な考え方は「走行距離」と「年式」のバランスがとれているかどうかです。
いい車は走行距離が「多い」or「少ない」？
実は走行距離の考え方について、必ずしも走行距離の少ない車が良いと一概にはいえません。いくら走行距離が少なくても年式が経過しすぎている車だと、コンディションが悪い可能性があります。
ではどういった基準で考えていけば良いのでしょうか。以下、詳しくチェックしていきましょう。
走行距離の目安は「1年に1万km」程度
一般的な走行距離の目安は「1年に1万km」とされており、単純計算で1ヶ月あたり約833kmとなります。この乗り方がエンジンにも負担がかかりにくいとされていて、「1年1万km」の目安は自動車査定協会（JAAI）においても査定の評価基準となっている数値です。
「年式×10,000（km）」の計算式で平均的な走行距離の算出をし、平均より多いか少ないかで、ある程度車の状態を把握することができます。
走行距離が10万キロを超えた車は大丈夫？
以前は走行距離が10万kmを超えた車は危険などという認識がありました。しかし近年の日本車はメンテナンスさえ怠らずにしていれば40万kmは走れるといわれていることからも、10万km程度ではまだまだ問題なく乗ることができるでしょう。
走行距離が10万kmを超える車は、必要な箇所の部品交換などメンテナンスがしっかりとされているのであれば「買い」だといえます。ただし、年数がそれほど経っていないのに走行距離が極端に多い車はエンジンにも負荷がかかっており消耗が激しいと予想されるため、注意が必要です。
極端に走行距離が短い（少ない）中古車は？
例えば10年経過しているにもかかわらず、2～3万km程度しか走行していないなど、走行距離が極端に短い中古車は、故障につながるリスクが高い可能性があります。
極端に走行距離が少ない車によくある理由として、以下の項目が挙げられます。
前オーナーが街乗りメインだった
前オーナーが街乗りメインで走行距離の平均が毎月250km以下だと、10年乗ってもおよそ3万km以下にしかならない計算になります。
こうした乗り方はエンジンが完全に温まる前にエンジンを止めているケースが多いと考えられ、エンジンに負担をかけている乗り方であるともいえます。少ししか乗っていないため車の状態は一見キレイですが、実はもっとも車に負担のかかった状態でもあるため注意が必要です。
試乗車として使われていた
ディーラーで試乗車として使われていた車は比較的走行距離が少ない車が多いもの。こちらも一見キレイな状態ではありますが、試乗車は不特定多数の人が運転していたり、なかには無理な運転を試す人がいたりするなど使用状況が読めないといったデメリットが挙げられます。
メーター戻しをされている
最近の車では簡単に不正が行われないようメーターが電子化されていますが、ひと昔前の中古車ではメーター戻しをする悪質な業者もありました。業界で問題視されるようになってからは車検証に走行距離を記載するなどの対策が進んでいますが、完全に改ざんがなくなったわけではなく、特に個人間の取引では注意が必要です。
走行距離と年式でみる中古車購入の目安
走行距離に加え年式を確認するのが状態の良い中古車を選ぶためのひとつの目安となります。ここでは「走行距離×年式」別に、中古車購入の目安について具体的にチェックしていきましょう。
状態が良い車が欲しい場合
中古でもなるべく状態が良い車をお求めの場合、初期登録から3年以内かつ走行距離3万km程度の車がおすすめです。新車価格よりも安く、なるべくキレイな状態の中古車が手に入るでしょう。
適度な状態で費用を抑えたい場合
適度に乗られた車は状態が安定しているうえ価格帯も下がるため、車の状態と価格のバランスがとれているといえるでしょう。登録から5年以内かつ5万kmの車がおすすめです。
初期費用をかなり抑えたい人
初期費用を抑えて中古車を購入したい人は登録から10年、かつ10万km程度の車がおすすめです。10年経過していてもメンテナンスがされていればまだまだ乗れる車が多いですが、10年経過した車は中古車市場においてだいぶ価値が下がるため、その分安く購入できるでしょう。
中古車購入時の注意点
走行距離と年式はあくまでも中古車選びのひとつの指針。状態の良い中古車選びのポイントは他にもあります。ここでは中古車選びの際、走行距離と年式以外でチェックすべきポイントについて見ていきましょう。
全体のコンディションをチェックする
車全体のコンディションをチェックし、状態が良いかどうかを確認します。状態が悪い車を購入すると故障リスクが大きくなり、結果としてメンテナンス費用がかさむケースや重大な事故につながる可能性もあります。
冠水車や塩害車など、災害に遭った車についても状態が良いとはいえず故障リスクも高くなるため注意が必要です。
メンテナンスの状態をチェックする
定期的なメンテナンスが行われていたかどうかといった点もチェックするのがおすすめです。整備記録やメンテナンスノートなどで確認することができるので、購入前に販売店で見せてもらうようにしましょう。
修復歴の有無もチェックする
中古車購入の際は修復歴の有無についてもチェックしましょう。修復歴は販売店側に記載義務があるため確認すると良いでしょう。
修復歴とは車体の骨格部分を修理した経歴のことで、価格を抑えて売られていることが多いですが、通常の車よりも故障リスクなどを伴うため、注意が必要です。
前オーナーの使い方もチェック！
前オーナーがどれだけ大事に乗っていたかというのもチェックしておきたいポイント。見分けが難しいですが、例えば車検やメンテナンスの記録などの書類がどれだけ残っているか、エンジンオイルやバッテリーなどの交換時期を記載したシールが貼られているかなども大切にメンテナンスがされていた証明となるでしょう。
車検をどこで受けていたかも、しっかりとメンテナンスをしていたかどうかの判断材料となり得ます。
状態の良い車に安く乗りたいならカーリースもおすすめ
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まとめ
今回は状態の良い中古車を買いたいと考えている人に向けて、購入しても良い中古車の走行距離の目安について詳しく解説してきました。
走行距離を目安に中古車購入を検討する際は「1年につき1万km」を目安に考え、年式も併せて確認するようにしましょう。
また走行距離以外にも、車全体のコンディションやメンテナンス頻度などもチェックポイントとなります。
いくら安いといえども、中古車購入の際には初期費用としてまとまったお金が必要となってくるもの。初期費用なしで新車に乗るならカーリースも視野に検討してみてはいかがでしょうか。
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