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車の維持費

2023年2月17日 (2023年2月24日 更新)

ハイオク・レギュラー・軽油の違いを解説!給油を間違える危険性とは?

ハイオク・レギュラー・軽油の違いを解説!給油を間違える危険性とは?

BEVや燃料電池車を除いて、通常エンジンを搭載する車は、ガソリンや軽油といったいわゆる石油を原料とした燃料を必要とします。

乗用車の場合は、使用される燃料はガソリンの場合がほとんどですが、商用車や大型SUVなどのディーゼルエンジン搭載車では軽油が使われています。そんな車の燃料に関して、皆さんは給油の際にガソリンと軽油、さらにハイオクやレギュラーといった違いをちゃんと認識されているでしょうか。

もし、その車に指定されている油種以外のものを給油してしまった場合、何か問題はあるのでしょうか。ここではそんな車に使われる燃料の種類の違いや価格、給油できる油種の違いや注意点などについて解説していきます。

ガソリンの種類と特徴|ハイオク・レギュラー・軽油

ガソリンの種類と特徴|ハイオク・レギュラー・軽油

車で使用される燃料には主にガソリンと軽油があります。またガソリンにはレギュラーガソリンとハイオクがあります。これらの違いはいったい何なのでしょう。

ハイオクとは

ハイオクガソリンとは日本工業規格(JIS)の規定ではオクタン価96以上のガソリンのことを指します。オクタン価とは異常燃焼の起こしにくさを示す値で、オクタン価が高ければ高いほどそのガソリンは異常燃焼を起こしにくくなります。プレミアムガソリンと呼ばれることもあります。

レギュラーとは

オクタン価が89以上で96未満のガソリンがレギュラーガソリンとなります。日本で生産される車の多くは、レギュラーガソリン仕様であり一般的な燃料であると言えます。

軽油とは

軽油は主にディーゼルエンジンの燃料として使われます。ガソリンとは性質が違っており、沸点(ガソリンは30℃~180℃、軽油は240℃~350℃)が異なります。“軽”とついていますが、軽自動車の燃料となるわけではありません。ディーゼルエンジン用の燃料です。

ハイオクとレギュラーの違いとは

ハイオクとレギュラーの違いとは

ハイオクガソリンとレギュラーガソリンの主の違いは、まずオクタン価が違います。そして価格が違っています。燃費に関してですがハイオクのほうが良い、と勘違いされている方もいますが厳密には関係ありません。他には清浄剤の有無などが大きな違いといえるでしょう。

ガソリン価格

ハイオクガソリンは、プレミアムガソリンと呼ばれることもあるようにレギュラーガソリンよりも価格が高くなっています。

おおよそ1L当たり10円ほどハイオクガソリンの方が高価です。その理由は、ハイオクガソリンはレギュラーガソリンよりもオクタン価(詳しくは後述)を高くするため添加物を多く入れているからです。

また、添加物に加え燃えカスを洗浄するための洗浄剤もハイオクガソリンには入っています。そのためコストがかかりハイオクガソリンは値段が高いのです。

燃費

燃費に関してですが、ハイオクガソリンは値段が高いので燃費も良くなるだろう!と誤解されている方もいますが、ハイオク、レギュラーの違いでは燃費が変わることはありません。

車の燃費は車重やタイヤのグリップ力、エンジンの性能などといった車両全体で決まるものなのでハイオクガソリンを入れたからといって燃費が良くなることはありません。むしろレギュラーガソリン仕様車に燃えにくい(オクタン価が高い)ハイオクガソリンを入れると、燃費が悪化する可能性もあります。

また、リッター当たりの単価も高いので、経済性からみてもマイナスです。レギュラーガソリン仕様車にはレギュラーガソリンを給油するのが正解です。

オクタン価

ハイオクガソリンはレギュラーガソリンよりもオクタン価の高いガソリンを指します。オクタン価とは異常燃焼の起こしにくさを示す値のことで、オクタン価が高ければ高いほどそのガソリンは異常燃焼を起こしにくくなります。

スポーツカーなどの高性能車はエンジンの圧縮比が高く(そのほうがパワーを引き出せるため)、オクタン価の低いレギュラーガソリンを入れてしまうと、異常燃焼(ノッキング)を起こして、エンジンが破損してしまう可能性があります。そのため、ハイオクガソリンが指定されているのです。

ハイオクガソリンはそのように高い圧縮比のエンジンでも異常燃焼を起こさないようにオクタン価が高くなっていますが、つまりは燃えにくいということにもなります。レギュラーガソリン指定車はより燃えやすいレギュラーガソリンに合わせた設計になっているので、高価なハイオクガソリンを入れても性能や燃費が向上するどころか、むしろエンジンのパワーダウンとなってしまう可能性もあります。

ちなみにヨーロッパからの輸入車などでは、大衆車でもハイオクガソリン指定となっていることが多いですが、これは、ヨーロッパではレギュラーガソリンのオクタン価が91と、日本のレギュラーガソリンよりも高いためです。オクタン価の高いガソリンがヨーロッパではレギュラーガソリンなので、日本ではそれに合わせてレギュラーではなくハイオクガソリンを入れる必要があるのです。

軽油はハイオク・レギュラーガソリンとどう違うの?

軽油はハイオク・レギュラーガソリンとどう違うの?

車で使用される燃料という点では同じですが、軽油とガソリンにはどのような違いがあるのでしょう。価格は明らかに違いますが、ガソリンエンジン車に安い軽油をいれても問題ないのでしょうか。

油の種類が違う

一般的に車で使われる燃料は、大きく「ガソリン」と「軽油」に分けることができます。そしてガソリンには前述のとおり、ハイオクガソリンとレギュラーガソリンがあり、さらにそれとは別に軽油があります。ではガソリンと軽油は何が違うのでしょう。

まず、この両者はおなじ原油から精製されている燃料です。ただし蒸留される際の温度で区別されています。軽油はガソリンよりも沸点が高いため、ガソリンを蒸留する過程で採取することができます。

給油できる車が違う

ガソリンと軽油は沸点が違うこともあって、軽油をガソリンエンジン車に使用することができません。ガソリンエンジン車に軽油を入れても燃焼せずエンジンは動きません。軽油はディーゼルエンジンの燃料として使われるものです。

セルフのガソリンスタンドなどで問題となっていますが、“軽“自動車だからと誤って軽自動車に軽油を給油してしまうといったケースも増えているそうです。しかし軽自動車にはガソリンエンジン車しかありませんので、使用する燃料はガソリンです。燃料が元のガソリンから完全に軽油に入れ替わってしまうとエンジンが故障する危険があります。くれぐれも間違えないように注意してください。

軽油のほうが価格が安い

ガソリンと軽油では、店頭価格では軽油のほうが安くなっています。その理由は税金(税制)が違うからです。ガソリンも軽油にも税金がかかっていますが、ガソリンの場合は国税のガソリン税が1リットル当たり53.8円課せられています。

軽油の場合も軽油税(軽油取引税)がかかっていますがこちらは地方税で、1リットル当たり32.1円となっています。つまり税金だけで、21.7円の差があるのです。そしてこの差がそのままガソリンと軽油の価格差となっているのです。

車が対応している燃料の見分け方

車が対応している燃料の見分け方

普段から使用しているマイカーならハイオクガソリンとレギュラーガソリン、軽油のどれがその車に指定されている油種が間違うことはないでしょうが、レンタカーや、家族や知人から車を借りた場合、その車に指定された油種はどれなのかわからないといったケースもあるかもしれません。その場合はどのように見分ければいいでしょう。

車検証を確認する

確実なのはその車の車検証を確認するということです。車検証には「燃料の種類」という項目があるのでそちらにガソリンもしくは軽油と記載されています。ただし、レギュラーかハイオクかは記載されていないのでそちらは車の取扱説明書かメーカーのカタログなどで確認するといいでしょう。

給油口のキャップを確認する

また、車の給油口のフューエルキャップでも油種がわかります。最近の車であればフューエルキャップに「ディーゼル(軽油)」、「無鉛プレミアム(ハイオク)」、「レギュラー」といったステッカーが貼られていることが多いのでそちらを確認すれば油種がわかるでしょう。

ガソリンを入れ間違えたらどうなる?

ガソリンを入れ間違えたらどうなる?

もし誤って、その車に対応していない燃料を入れてしまったらどうなるのでしょう。

ハイオク仕様車にレギュラーを入れた場合

ハイオク仕様の車にレギュラーガソリンを入れてしまったらどうなるのか。異常燃焼が起きてしまう可能性もありますが、今の車には点火タイミングを制御するノックセンサーが搭載されているので、異常燃焼(ノッキング)のよる大きなダメージを受ける可能性はほとんどありません。そのためそれほど心配する必要はありません。

ただし、エンジンのパワーがダウンする可能性があります。また、エンジンのセンサーに異常が起こる可能性もあるので長期的な使用はできれば避けたほうが良いでしょう。

レギュラー仕様車にハイオクを入れた場合

レギュラーガソリン仕様の車に、ハイオクガソリンを入れた場合ですが、こちらはまったく問題はありません。むしろハイオクガソリンには清浄剤が入っているので、その効果によってエンジンの燃焼室がキレイになるでしょう。

ただし、パワーアップするということはないので、価格差を考えるとあえてレギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れるだけの意味があるかどうかは微妙なところです。

軽油(ディーゼル)仕様車にハイオク・レギュラーを入れた場合

ディーゼルエンジン車に誤ってガソリンを給油してしまうと、ガソリンは軽油と違って燃えやすいため、最悪エンジンの故障につながる危険性があります。

走行する前に気が付いた場合は、エンジンをかけてはいけません。すぐにガソリンスタンドのスタッフに相談し燃料タンク内の燃料の抜きとってもらいましょう。

さらに、自動車修理工場やディーラーに依頼してチェックしてもらいましょう。場合によっては燃料ポンプや燃料フィルター、インジェクターのクリーニングや交換などといった修理が必要となるかもしれません。

まとめ

まとめ

ハイオクガソリンとレギュラーガソリン、そして軽油の違いと、給油の際の注意点に関してご理解いただけたでしょうか。ハイオクガソリンとレギュラーガソリンの入れ間違いは、同じガソリンであるため大きな問題となりませんが、ガソリンと軽油は同じ原油から精製されたものでもその特性が大きく異なります。

ディーゼル車にガソリン、ガソリン車に軽油と入れ間違がってしまうと、最悪エンジンが故障してしまう恐れもあります。エンジン始動直後に故障となることはありませんが、もし誤って給油をしてしまった場合は、速やかにガソリンスタンドのスタッフや修理工場、自動車ディーラーなどに相談するようにしてください。

WRITER筆者

橋本 敏弘 (はしもと としひろ)株式会社ジョイカルジャパン マーケティング本部 宣伝・広報・販促ユニット所属

資格・免許
・普通自動車免許
・大型自動二輪免許
・二級自動車整備士(ガソリン・ディーゼル)
・自動車検査員
・自動車保険募集人
略歴・職歴
自動車整備専門学校卒業後、2級自動車整備士資格取得。千葉県某日産系ディーラーにて整備士として6年、営業として1年勤務。その後、コバック加盟店の地元自動車修理工場にて3年勤務。この期間中に自動車検査員資格も取得後、退社。そして、現在は株式会社ジョイカルジャパンにて新車業販部を経て、マーケティング本部 宣伝・広報・販促ユニットで活躍中。
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自動車整備の資格を活かし、販売のことから日頃のクルマのメンテナンスのことを中心に、幅広くみなさまへお伝えできたらと思っております。

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