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カーライフ

2023年3月2日 (2023年3月13日 更新)

車がガス欠になったらどうなる?危険性や対処法、事前対策を解説

車がガス欠になったらどうなる?危険性や対処法、事前対策を解説

車のトラブルの中でも、バッテリー上がりと並んで多いのが実はガス欠です。車のメーターには燃料計や燃料警告灯があるので確認していればガス欠は起こるわけがないのですが、それでも決してなくならないのがガス欠なのです。

計器の故障というケースもなくはないですが、ガス欠の多くはドライバーの不注意によって起こります。では、もしそうなった場合、走行ができなくなるのは当然としてその他にどんな問題が起こるでしょう。またガス欠となってしまったら、ドライバーはどのように対処するべきなのでしょうか。

車がガス欠したらどうなる?その危険性について

車がガス欠したらどうなる?その危険性について

ガス欠となれば、当然その車は走ることができなくなりますが、そのほかにも以下のような問題が起きる可能性があります。

交通事故の原因になる可能性がある

ガス欠となり車道で車が止まってしまった場合、まず注意しなくてはいけないのが追突事故の可能性です。本来車が止まっているはずのない車道に車がいるのですから、後方から来た他の車が追突事故を起こしてしまうかもしれません。

ディーゼル車はエア抜きが必要

ガソリンエンジンの場合、ガス欠となっても燃料を補充すればすぐに再始動できますが、気を付けなくてはいけないのがディーゼルエンジン車です。ディーゼルエンジンはガス欠のままエンストするまで走ってしまうと、燃料ラインに空気が入ってしまいその空気が燃料の圧送を妨げるのです。そのため、軽油を給油してもエンジンまで送ることができず再始動ができなくなってしまうのです。

そうなった場合、エンジンルームにあるポンプを手動でポンピングしてエアを抜かなくてはなりません。そうでないと再始動ができないのです。ただし、マツダのスカイアクティブDなど最新のディーゼルエンジンでは、燃料を給油して始動させればエンジンがかかるようになっています。

ガス欠を繰り返すと車へのダメージがある

ガソリンエンジンでもガス欠を繰り返すと、車にダメージを与えることになります。例えば燃料を送る燃料ポンプは燃料切れで空転すると、燃料によるモーターの潤滑性と冷却が失われてしまいます。そして、摩擦熱や摩耗によって故障となってしまう可能性があるのです。

また、シリンダー内に直接燃料を噴射する直噴エンジンでは、シリンダー燃焼温度が最も高温の時にインジェクターで燃料を噴射しているのですが、ガス欠となった場合、ノズルの先端にガソリンなどの燃料がないのでノズルの潤滑が失われている状態で高温にさらされます、そしてノズルを傷めることになるのです。

さらに、エンジンの再始動の際にセルモーターを繰り返し回せば、スターターやバッテリーへの負担が増え、これも故障につながる可能性があります。

車がガス欠したときの対処法

車がガス欠したときの対処法

もしガス欠となってしまったらどうすればいいのでしょうか。

まずは安全を確保しよう

ガス欠になってしまったときはなによりもまず安全を確保しましょう。追突事故などの2次災害を防ぐのです。ガス欠となっても車はある程度惰性で進みます。完全に車が停止するまでの間に、路肩など安全な場所に移動させます。

危険なのは高速道路です。高速道路上でガス欠→停車となってしまうと、速度を出している後続車が追突して大事故となってしまう可能性があります。路肩に寄せても危険であることは変わりません。

すぐに移動させることが難しいときは、ハザードを出してから車載の「発煙筒」や「三角表示板」で周囲に注意を促します。そのうえでドライバーは危険を避けるために、路肩や退避場所へ移動してください。

最寄りのガソリンスタンドに連絡する

ガス欠となった場合どこに連絡をすればいいのか。一般道であれば、近くのガソリンスタンドをスマホなどで検索してみましょう。お店によってはその場所までガソリンを配達してくれる場合があります。

ロードサービスに連絡する

都合の良いガソリンスタンドが見つからない場合は、JAFなどのロードサービスを利用しましょう。また、JAF以外にも任意保険にサービスとしてガス欠に対応してくれるロードサービスが無料で付帯していることも多いので、そちらを確認してみてください。

JAFや任意保険のロードサービスは、いつか利用する機会があるかもしれないので、いざというときのために連絡先などを控えておくと良いでしょう。

家族や知人の車で牽引してもらう

もし、ガス欠となったのが比較的自宅近くであるなら、家族や知人に連絡して車をけん引してガソリンスタンドまで移動するという方法もあります。また、ガソリン携行缶を買ってきてもらい、それに給油して運んでもらうということも可能です。こういったこともいざというときの手段の一つです。

高速道路でガス欠したらどうなる?

高速道路でガス欠したらどうなる?

高速道路でもしガス欠をした場合、単に走ることができなくなりピンチとなるだけでなく、道路交通法第75条の10第1項「自動車の運転者の遵守事項」(出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105)の違反に該当する可能性があります。

この道交法の条文では、高速自動車国道および自動車専用道路を走行しようとするときは、あらかじめ燃料、冷却水、エンジンオイルの量、貨物の積載状態を点検し、途中でガス欠などのために走行できなくなったり貨物が転落・飛散したりする事態を防止する措置を講じなければならないこと、となっています。

つまり、高速道路など自動車専用道路はガス欠とならないように、事前の給油やクルマの点検などを行わなければならないのです。違反となった場合、高速自動車国道等運転者遵守事項違反に該当することになり、違反点数2点、普通車で反則金9000円が科されます。

さらに、刑罰としては道路交通法第119条第1項第12の3号によって、3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されるケースもあるのです。こういったリスクもありますし、一般道よりも高速道路や自動車専用道ではガス欠時の危険性が高いので細心の注意を払いましょう。

車がガス欠にならないための対策|ガス欠の前兆をチェックしよう

車がガス欠にならないための対策|ガス欠の前兆をチェックしよう

ガス欠となる前に、車からそれを知らせる下記のような何らかの前兆や症状的なものが現れます。それらを察知してガス欠前に対処するようにしましょう。

給油ランプをこまめに確認する

基本中の基本はメーターを確認することです。燃料計を見れば残量がわかりますし、燃料の残量が減ってくれば給油ランプが点灯して、車が給油の必要性を教えてくれます。それらを見逃さなければガス欠となることはまずありません。

ただし、一部高速道路の路線では150㎞など長距離にわたってガソリンスタンドの無いエリアもあります。運悪くその路線の途中で給油ランプが点灯となった場合は、ガソリンスタンドにたどり着けずガス欠となってしまうこともあるかもしれません。そうならないためには、自分の車の普段の燃費も把握しておくことが大切です。

遠出をする際は事前に給油しておく

また、あらかじめ遠くに出かけるというときは、事前に給油しておくことも大切です。ガソリンを満タンにしておき、目的地まで十分往復することができるだけの燃料を確保しておくのです。

高速道路のSAのガソリンスタンドなどでは、ガソリンの値段が割高となっているケースも多いので、そのほうが経済的にも助かるはずです。

携行缶にガソリンを用意しておく

人口の少ない地方などにでかけた場合、ガソリンスタンドがもしかしたら見つからないかもしれません。そういった場合には、車にガソリン携行缶を積んでおくというのも検討してもいいかもしれません。万が一ガス欠になっても、別にガソリンが確保できていれば速やかに対応することができます。

ただし、一般の方がガソリン携行缶にガソリンを入れることはできません。セルフではなくサービススタッフの常駐するフルサービスのガソリンスタンドに行き、スタッフに依頼してガソリン携行缶にガソリンを入れてもらいましょう。さらに、2020年2月1日よりガソリンの容器への詰め替え販売を行う場合、本人確認(運転免許証等)、使用目的の確認、販売記録の作成が消防法で義務付けされています。

ガソリンの給油が認められている携行缶は、性能試験に合格した22L以下の密閉できる金属性容器だけです。試験を合格した容器には必ず試験確認済証のシールが貼られています。ポリ容器やペットボトルなどには給油できません。

ガソリン携行缶のガソリンを車に給油する際、とくに乾燥している時期は静電気に気を付けてください。地面を手のひら全体で触れるなどして、体内に溜まった静電気を逃がしてから給油をしましょう。

ガス欠の前兆を把握する

ガス欠はメーターを見ていればわかりますが、ガソリンが少なくなるとその前兆はエンジンの振動や車の動きからもわかります。まずアクセルを踏んでもスピードが出せなくなり、エンジンからは「カタカタ」と乾いたような音が聞こえてきます。そして、車がエンストしてしまえば完全にガス欠です。そうなる前に給油を行いましょう。

ガス欠が治る裏ワザの真偽について

ガス欠が治る裏ワザの真偽について

ネット上では、ガス欠時に使える裏ワザとして、様々な情報が拡散しています。そういった情報は本当に効果があるのでしょうか。

ガス欠時に車を揺らす

昔からある裏ワザ的なものが、ガス欠になったら車を揺らすとしばらく走ることができるというものです。これは、ガソリンタンクは完全な立方体ではなく複雑な形をしているため、タンク内のガソリンを完全に使い切ることができないので、揺らすことで残ったガソリンをポンプに吸い上げさせるというもの。

たしかに揺らすことで一時的にエンジンが掛かることもあります。しかし、今の車のガソリンタンクはギリギリまでガソリンが使えるように設計されているので、そういったことをしても使えるガソリンはわずかです。

おそらくはすぐにエンストとなり、燃料切れになってしまうでしょう。例えば路肩など安全な場所に移動させるために、あと少し動いてほしいというときには有効かもしれません。

ガソリンの代わりに水を入れる

車がガス欠してしまった際に、ガソリンスタンドがない時はガソリン代わりに水を入れると、多少走ることができるということがネットなどに書かれています。話を聞いたことはありませんか。これは本当なのか。

燃料タンクに水を入れるとガソリンよりも比重の大きな水が底にたまり、タンクに少し残っているガソリンをタンク内のガソリン吸出し口までかさ上げして吸い込ませることができ、エンジンがかかるという理屈のようです。

理屈ではわかりますが、ガソリン吸い込み口までちょうど良い高さに水でかさ上げするというのはあまりにも微妙です。それにもしガソリンでなく水を吸い込んでしまったら、エンジンは壊れる可能性が高いでしょう。絶対にやるべきではありません。

まとめ

まとめ

誰にでも起こりえる車のトラブルの代表がガス欠です。ちょっとした不注意で起きてしまう小さなトラブルですが、ガス欠が原因で追突され、結果大きな事故につながってしまうこともあります。そんなことにならないように、日ごろからガソリンの残量に注意して自分の車の燃費もしっかり把握しておきましょう。

また、もしガス欠になってしまったら、ご紹介したような対処方法をしっかり実行してみてください。JAFや任意保険のロードサービスの電話番号などもメモしておき、車内のグローブボックスなどに保管しておくといいかもしれません。

WRITER筆者

橋本 敏弘 (はしもと としひろ)株式会社ジョイカルジャパン マーケティング本部 宣伝・広報・販促ユニット所属

資格・免許
・普通自動車免許
・大型自動二輪免許
・二級自動車整備士(ガソリン・ディーゼル)
・自動車検査員
・自動車保険募集人
略歴・職歴
自動車整備専門学校卒業後、2級自動車整備士資格取得。千葉県某日産系ディーラーにて整備士として6年、営業として1年勤務。その後、コバック加盟店の地元自動車修理工場にて3年勤務。この期間中に自動車検査員資格も取得後、退社。そして、現在は株式会社ジョイカルジャパンにて新車業販部を経て、マーケティング本部 宣伝・広報・販促ユニットで活躍中。
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自動車整備の資格を活かし、販売のことから日頃のクルマのメンテナンスのことを中心に、幅広くみなさまへお伝えできたらと思っております。

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