2022年8月22日 (2022年8月23日 更新)
車のシビアコンディションとは?原因や防ぐための対策を紹介!
例えば同じ年式の同じ車種であっても、使用される環境、運転するドライバー、使われ方によって車のコンディションは一台一台変わってくるものです。もしその車が「シビアコンディション」なのであれば、年式の新しい車であってもダメージを受けている可能性があります。
いきなり「シビアコンディション」などと言われても、それって何?と疑問を持つ方もいるかもしれません。しかし、実は車の取扱説明書や保守点検整備要領等にも書かれていることで、ドライバーなら知っておくべきことなのです
そこで今回はドライバーなら知っておくべき「シビアコンディション」について詳しく解説します。また、「シビアコンディション」における車のダメージを防ぐにはどうしたらいいのかについてもご紹介します。
INDEX目次
シビアコンディションとは
「シビアコンディション」の「シビア(Severe)」とは、「厳しい、過酷な」といった意味です。そして「コンディション(condition)」は、「状態、調子、条件」という意味になります。
つまり「シビアコンディション」とは「車にとってより厳しい使用状況、負担の大きい使われ方」を指していると理解すればいいでしょう。そのような状況、条件で使われた車はエンジンや油脂類、部品などに大きな負荷がかかっていることになります。
では、車にとっての「シビアコンディション」とは具体的にはどのようなことでしょうか。例えば「通常よりも走行距離が多い」や「荒れた道を走る」、「悪天候の中での使用」、「過度な速度を出す」といったことが「シビアコンディション」に当てはまるでしょう。より詳しい原因や条件を次項で解説します。
シビアコンディションになる原因や条件は?
シビアコンディションになる原因をひとつずつ解説します。
走行距離が多い
まず、走行距離です。一般的に乗用車の年間走行距離は1年で10,000㎞程度とされています。もし20,000km/年以上走行していれば、走行距離が多すぎるということになり、その分パーツの摩耗や油脂類の劣化が進みやすくなる「シビアコンディション」だといえます。もちろんこれは一般的な乗用車の場合です。業務用のバンやトラックなどはこの限りではありません。
悪路での走行が多い
悪路走行も車にダメージを蓄積します。悪路とは、でこぼこ道や砂利道、未舗装路、雪道などです。ドライバーが車に衝撃を感じるくらいの荒れた路面を走ったり、走行中に石を跳ね上げた、轍(わだち)などによって下回りがヒットしたと感じたりするようならそれは間違いなく悪路です。
そういった悪路での走行が、走行距離の30%以上を占める場合は「悪路での走行が多い」ということに該当します。
山道・登降坂路での走行が多い
また、「山道、登降坂路」の走行も車には厳しい条件です。上り下りが多い道やブレーキを何度も使用する峠道などの走行が、その車のそれまでの走行距離の30%以上を占める場合も「シビアコンディション」となります。
短距離の走行が多い
走行距離は長いだけでなく、短すぎる場合も車にとっては負担となります。1回の乗車で走行距離が8km以下の運転を繰り返した場合、冷却水やオイルなどの温度が低い状態での走行が多くなり、油脂類がダメージを受けることになります。
エンジンをはじめ車の部品はすべて設計上の適温があります。冷却水やエンジンオイルであれば80~90℃くらいで、適温にならないとエンジン内部は適正なクリアランス(隙間)になりません。パーツ類のフリクション(摩擦)が増え、摩耗が進みます。
また、エンジンオイルも適温にならないと、本来蒸発するはずのオイル内の水分が蒸発せずオイルの劣化が進みやすくなってしまいます。車の使用が近所への買い物や、お子さんの送り迎えなどが多いという場合は「シビアコンディション」に当てはまる可能性があります。
低速での走行が多い
時速30km以下の走行やアイドリング状態が多いと、冷却水やオイルなどの温度が低い状態が続いてしまい、短距離での走行が多い場合と同様に車の負担となります。渋滞の多い地域や、住宅街での走行を頻繁に行っていると当てはまる可能性があります。
シビアコンディションにはどんなデメリットがある?
では、「シビアコンディション」にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。当然ですが、車への負担が大きくなるため故障のリスクが高まり、パーツ類の摩耗やダメージのリスクも高まります。また、エンジンオイルやミッションオイルなどの油脂類の劣化も進みやすくなります。
もちろん、「シビアコンディション」だからといって、車はすぐに故障するわけではありません。しかし、入念な点検やメンテナンスをしないと故障するリスクは間違いなく高くなります。
また「シビアコンディション」であれば、車の負担が大きくダメージを受けている可能性が高いということから12カ月点検時の項目も増えることになります。実際以下のような点検項目が追加されます。
- ステアリングギヤボックスの取付けの緩み
- ロッド、アーム類のボールジョイントのダストブーツの亀裂、損傷
- ブレーキドラムの摩耗、損傷
- ブレーキディスクの摩耗、損傷
- サスペンションの取付部、連結部の緩み、がた
- サスペンション各部の損傷
- ドライブシャフトのユニバーサルジョイント部のダストブーツの亀裂、損傷
- 燃料もれ
引用元:トヨタ『シビアコンディション時の点検項目』より
このように入念な点検が必要となれば、その分手間も時間もかかりますし、工賃や交換部品の費用もかさむことになるのです。こういったこともデメリットといえるでしょう。
シビアコンディションを防ぐための対策
では、「シビアコンディション」の条件に該当しないようにするにはどうすればいいのでしょうか。これはなかなか難しい問題です。まず、車の使用目的や環境によっては、走行距離がどうしても多くなってしまうのは仕方がありません。
走行距離がかさむことによる「シビアコンディション」に関しては、その分点検や消耗品(エンジンオイルや冷却水、エアクリーナーエレメントなど)の交換の頻度を増やすしかないでしょう。
ただ、走行距離が短い「ちょいのり」をできるだけ減らすことはできるはずです。ちょっとした買い物など近い場所への移動には車ではなく、徒歩や自転車を使うようにするのも良い方法です。また、車には直接関係ありませんが、ちょっとした健康にもつながります。
他には、車に乗る際はエンジンオイルや冷却水の温度がある程度上がるように、一度に8km以上は走るようにするなどの対策もいいでしょう。また、車体に傷が付く危険性もあるので、悪路走行はできるだけ避けることがベターです。
こういったことに気を付けるのが基本ですが、それでも車を使っていればある程度車に負担はかかってしまいます。極端な話だと車を使用しないのが「シビアコンディション」を避ける一番の方法ですが、それでは車を手に入れた意味がなくなってしまうので、ご紹介した方法で上手に付き合っていくことが大切です。
短期リースならいつでもベストコンディションの新車に乗れる
自分の使用環境では、どうしても車の使用頻度が高くなるため「シビアコンディション」を避けるのは難しいという方は、例えば車を購入するのではなく、カーリースで賢く利用するという方法もあります。
カーリースは車を購入するのではなくリース会社から車を借り、それをマイカーのように使用するという新しい車の利用方法です。例えば「ジョイカル」のカーリースサービス「NORIDOKI」は、3年ごとに手軽に新車を乗り換えることができる便利なカーリースサービスです。「シビアコンディション」で車にダメージが蓄積する前に、新しい車に乗り換えることができます。つまり「NORIDOKI」を利用すれば、常に「ベストコンディション」の新車に乗り続けることができるということです。これなら「シビアコンディション」にそれほど気を付ける必要はありません。
さらに、カーリースなら、保険や税金などといったランニングコストもリース代に含まれるので維持費も節約できます。その点でもメリットは大きいといえるでしょう。
カーリースの「NORIDOKI」を利用すれば、3年ごとに新車に乗り換えられるので、「シビアコンディション」による車のダメージが蓄積する前に、保険などのコストも節約しなががらベストコンディションの新車に乗り続けることができます。
まとめ
「シビアコンディション」は車にとってデメリットが多いものです。しかし、個々のドライバーによって車の使用頻度や利用環境は異なるため、どうしても「シビアコンディション」が避けられないというケースもあるでしょう。
もちろん使い方をある程度工夫して「シビアコンディション」を避けるのがベストですが、そのために車を使わない、長距離走行を行わないというのでは本末転倒です。
「シビアコンディション」がどうしても避けられないのであれば、故障などのリスクを考えて、とにかく点検や整備だけは欠かさないようにしてください。しっかりとメンテナンスを行っていれば、「シビアコンディション」車であっても長く付き合うことができるはずです。