「そろそろタイヤがすり減ってきたかな?」と感じている人や、ガソリンスタンドなどで「タイヤの交換時期だと言われた」など、タイヤ交換の検討のタイミングは人それぞれでしょう。タイヤの寿命は果たしてどれくらいなのでしょうか。
今回は、車のタイヤ交換について、交換時期の目安のポイントや交換の費用相場などを詳しく解説していきます。
タイヤの摩耗が招くデメリット
まずはじめに、タイヤ交換を怠ることで生じるデメリットについてチェックしていきましょう。
タイヤが劣化したまま運転し続けていると、運転に支障が出るだけでなくさまざまな危険を伴うため注意が必要です。
スリップ事故に繋がりやすい
タイヤが摩耗していると、冬の寒い日の凍った道路はもちろんのこと、雨の日濡れた路面においてもスリップしやすくなるため注意しましょう。
タイヤの溝には、タイヤと路面との間に入りこむ水を排出する役割がありますが、溝が浅くなると、タイヤと路面の間に水の膜ができやすくなり、スリップの危険性が高まるため事故に繋がりやすくなります。
乗り心地が悪くなる
タイヤがすり減っているとブレーキが効きづらくなるなど、乗り心地が悪くなってしまいます。
走行中の車の揺れやふらつきの原因にもなりますので最悪の場合、事故に繋がるケースも考えられるでしょう。
燃費が悪くなる
摩耗したタイヤでは、どんなに燃費性能の良い車でも走行性能が低下してしまい、燃費効率が悪化する原因となります。
近年は燃費性能を向上させるタイヤも登場しており、タイヤによって燃費効率が左右されることは明らかです。
このように、タイヤの摩耗による事故のリスクや、走行性能の悪化などのデメリットが多いですが、そもそもタイヤの溝の深さは法律でも定められており、溝不足のタイヤでは車検に通過することができません。
法律で使用が禁止されているタイヤは、溝の深さが「1.6mm未満」となっています。
摩耗したタイヤは、制動距離が伸びてしまい衝突事故やスリップ事故などのリスクが高まりますので放置せず、速やかに交換しましょう。
タイヤの寿命は4~5年?交換時期の目安のポイント
メーカーにもよりますが、安全走行のためにもタイヤの寿命はおよそ「4~5年」とされているのが一般的です。
また、スタッドレスタイヤの平均寿命については「製造年月から3~4年」と言われています。スタッドレスは通常のタイヤに比べてやわらかく劣化しやすい形状のため、寿命が早いものとされています。
ただしこれはあくまでも一つの目安です。
年数がそれほど経っていなくても、走行距離や走行状況などによっても左右されるため、交換の目安は以下に挙げるポイントを抑えておきましょう。
注意!タイヤは使わなくても劣化する
例え走行していなくとも、タイヤは経年劣化してしまいます。
摩耗以外の劣化状態について、判断のポイントを5つ挙げているのでこちらもチェックしておきましょう。
ポイント① 製造年を過ぎている
製造から4~5年過ぎているタイヤは経年劣化している恐れがあるため、例え見た目にはキレイなタイヤでも交換した方が良いでしょう。
製造年月は、タイヤのサイドウォールに記載されている4桁の数字で確認することができます。
4桁の数字の上2桁が「製造週」、下2桁が「製造年」となっています。
製造週は、その年の1月1日から1週目と数えて算出しており、例えば「3218」と書かれていたら「2018年の32週目=8月」という意味です。
週の計算方法は「週番号」で検索できますが、分かりづらい場合はメーカーに問い合わせるのも良いでしょう。
ポイント② スリップサインが出ている
タイヤの摩耗度を測る方法の一つとして、「スリップサイン」の確認をすることが挙げられます。スリップサインはタイヤのサイドウォールにある三角マークの延長線上を辿っていくと確認することができます。
タイヤの溝とスリップサインの差が少ないほど摩耗度が高いということになります。
ポイント③ ゴムがひび割れている(クラック)
経年劣化により、タイヤのゴムがひび割れている場合も注意が必要です。
タイヤのひび割れはバーストを引き起こす原因ともなり、走行に危険を伴います。
見た目にはひび割れの深さは分かりにくいですが、製造からどれくらい経過しているのかも考慮しつつ、ひび割れを発見したら早めに交換するのがおすすめです。
ポイント④ 走行距離で判断する
タイヤは、5,000km走行するごとに1mm摩耗するとされています。
メーカーにもよりますが、新品タイヤの溝は約8mmなのでボーダーラインの1.6mmまで走るとすると、だいたい「32,000km」で交換という計算となります。
走行距離が長い人は、こまめにタイヤ溝のチェック等を行うことをおすすめします。
ポイント⑤ 体感で判断する
「ブレーキの効きが悪くなってきた」「走行時に車がふらつく感じがする」など、いつもと走行性が悪い場合、それはタイヤが原因かもしれません。
普段と走りが異なると違和感を感じたら、速やかにタイヤのチェックを行いましょう。
タイヤ交換の方法は?
タイヤの寿命について分かったところで、続いてタイヤ交換の方法についてご説明していきます。タイヤ交換は「業者に依頼」または「自分で交換」のどちらかによって行います。
以下でそれぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
業者に依頼する方法
ひとくちに業者と言っても、タイヤ交換ができる店舗にはさまざまな種類があります。
業者に依頼すれば、タイヤ交換のついでに簡単なメンテナンスを受けられることもメリットであると言えるでしょう。
業者別のおすすめポイントや、タイヤ交換の工賃費用と作業目安時間の相場についてご説明していきます。
タイヤ専門店
スタッフはタイヤに関する知識が豊富で、さらにタイヤの種類も豊富にあるのがポイントです。
「低燃費タイヤ」「走行性能を重視したタイヤ」など、自分が欲しい機能に合ったタイヤを探したい人にはタイヤ専門店がおすすめです。
しかしタイヤ本体価格の割引率はあまり良くないことが多く、費用が高くなってしまう場合もあります。
工賃相場:1本当たり 2,000~3,000円程度
目安時間:4本 30分~1時間半程度
ディーラー
ディーラーは、基本的に車種に合った純正のタイヤを取り付け、さらに保証も充実しているのが特徴です。またタイヤ交換のついでにその他の点検も行ってくれる店舗もあり、技術力も高いため安心して任せられます。
車種によって工賃相場に差がありますが、国産車であれば1本3,000円ほどで済むでしょう。
工賃相場:1本当たり 2,000~8,000円程度
目安時間:4本 30分~1時間半程度
ガソリンスタンド
店舗数が多いため、タイヤがパンクしたときなど緊急を要する場合に便利なのがガソリンスタンド。店舗によっても差がありますが、一般的に工賃が安いのがポイントです。
しかしタイヤの種類は豊富とは言えず、物によっては本体価格が高くつく場合もあります。
店舗によっては自分の車に合うタイヤの在庫がないケースも考えられるため、出向く前には確認の電話をした方が良いでしょう。
工賃相場:1本あたり 1,000~1,500円程度
目安時間:4本 30分~1時間半程度
カー用品店
独自ルートで安く仕入れていたり、プライベートブランドのタイヤの取扱いなど比較的タイヤ本体の価格が安い傾向にあります。さらに工賃も低価格であるケースが多く、費用を抑えたい人におすすめです。
しかし、タイヤ交換の作業自体は他と同じですが、作業が混み合っていると半日~1日かかってしまうケースも。緊急を要する場合以外は、事前に予約を取るのが良いでしょう。
工賃相場:1本あたり 1,500~2,000円
目安時間:4本 30分~1時間半程度(お店の混雑具合による)
タイヤ専門店 | ディーラー | ガソリンスタンド | カー用品店 | |
---|---|---|---|---|
工賃相場 | 2,000~3,000円 |
2,000~8,000円 (車種による) |
1,000~1,500円 | 1,500~2,000円 |
目安時間 | 30分~1時間半 | 30分~1時間半 | 30分~1時間半 | 30分~1時間半 |
予約 |
なしでも可 ※待ち時間が発生する可能性あり |
原則予約 |
なしでも可 ※在庫がない可能性あり |
なしでも可 ※混雑時は受け付けてくれない可能性あり |
メリット | タイヤの種類が豊富 |
技術力が高く 安心 |
作業時間が早く、 比較的安価 |
工賃・本体価格ともに 安価な傾向 |
デメリット | タイヤの価格が高い | 工賃が高め |
タイヤの種類が 少ない |
予約なしだと 待ち時間が読めない |
自分で交換する方法
タイヤ交換をするための道具や知識があれば、自分でも行うことは可能です。
とはいえ、ホイールバランスの調整やナットの締め付けなど、専用の道具が必要になり正しい専門知識を身につけておく必要があります。
逆に言えば、曖昧な知識でタイヤ交換を行うのは非常に危険ですので、絶対にしないでください。
タイヤ交換を自分で行うのは危険?
タイヤ交換は、初心者や専門知識がなく慣れていない人にとっては非常に危険ですので避けた方が良いでしょう。
交換作業自体も危険を伴いますし、万が一、ホイールナットの締め付け不足などの場合には、走行中にタイヤが外れてしまうなど他者をも巻き込む事故へと発展しかねません。
タイヤ交換の知識や道具が揃っている人でも、ジャッキアップなどは平地で行う必要があるため、駐車スペースが少しでも斜頸になっている場合には平坦な場所で行うか、無理せず業者に依頼するのがおすすめです。
まとめ
今回は、車のタイヤ交換について、交換時期の目安や費用相場などを解説してきました。
タイヤの寿命は「4~5年」で、タイヤの状態や走行距離も交換の目安となるので、交換時期を見逃さないよう日頃から点検しておくと良いでしょう。タイヤ交換は、無理せず業者に依頼するのがおすすめです。
事故のリスクを減らし、安全で快適な乗り心地のためにもタイヤ交換は欠かせません。
思わぬ出費となる前に愛車のタイヤチェックを怠らず、日常的に行うようにしましょう。