そうでない方ももちろんいるとは思いますが、嫌いな臭い代表といえばタバコの臭いではないでしょうか。特に車のような狭い空間は臭いが充満しやすく、タバコを一本喫っただけでも、その臭いが苦手な人にとっては大きなストレスになってしまいます。
また、喫煙車の車内には、ドライバー本人はあまり気になっていないようですがタバコの臭いが染み付いており、そんな車に同乗するとなるとそれだけで気分が悪くなってしまう方もいるのです。
そんな苦手な方にとっては大きなストレスになるタバコの臭い。それを消すにはどうすればいいのでしょう。効果的な消臭方法や、また臭いの予防対策についてご紹介します。
車でタバコの臭いがするデメリット
愛煙家にとっては気にならないものですが、車内のタバコ臭には様々なデメリットがあります。例えば以下のような問題です。
同乗者に不快感を与える
タバコの臭いの原因はタバコに含まれているアンモニア、酢酸、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、トリチルアミンなどの添加物とされています。これらの添加物が燃焼することで、タバコ独特の嫌な臭いが発生するのです。
その臭いによる最も大きな問題は家族、友人、恋人など、同乗者に大きな不快感やストレスを与えてしまうということでしょう。まず臭いによって気分を害します。
タバコが苦手な人が、タバコ臭のこびりついた車に長時間同乗するのはかなりつらいものなのです。単に気分が悪いというだけでなく場合によっては身体の不調につながることもあります。
例えば普段は車酔いしないという方が、タバコ臭のせいで車酔いとなってしまうこともあります。また、呼吸器系が弱い方、または呼吸器系疾患を持つ方にとっては健康を害する危険もあります。
喫煙者は、たかがタバコぐらいで、と考えるかもしれませんが、タバコの臭いの原因である有害な物質が原因でアレルギーを発症することだってあり得るのです。
衣類や布製品への臭いが付着する
タバコの臭いは非常に強烈で、自分が喫っていないのに、喫煙者の車に同乗しただけで着用していた衣服に臭いが移ってしまうことがあります。
また、衣服だけではなく、車内に置いておいたバッグやタオル、クッションなどといった布地のものにも臭いが染み付いてしまいます。一度染み付いたタバコ臭は簡単に取り除けないのでとても厄介な問題です。
エアコンからタバコ臭がする
車内でタバコを吸うと、タバコの臭いの分子が車内のいたるところに広がります。それはシートの生地の中や天井、ウインドウの内側にまでこびりつきます。
さらに、エアコンを使用すれば煙はエアコンの内部にまで浸透し、フィルターやエパポレーターといったエアコンの内部にまで臭いがついてしまうのです。
そんな、タバコの臭いが染み付いたエアコンを作動させれば、さらに臭いの分子を車内にまき散らすことになり、臭いがより充満することになるでしょう。
車の査定に響く
タバコの臭いは上記のような同乗者へのストレスになるだけでなく、車の価値を落としてしまうことにもなります。そのため車を下取りや買取りに出した際、タバコの臭いがこびりついていたり、ヤニなどがインテリアにこびりついていると、それによって減点され、査定額が下がってしまう可能性があります。
近年は喫煙者の数も減少しており、タバコの臭いがする車は中古車市場でも嫌煙される傾向にあるので、タバコの臭いによる車の価値下落は無視できない問題といえるでしょう。
車のタバコ臭を消臭する3つの方法
タバコの臭いが敬遠されているということは分かった。では、すでに染み付いてしまったタバコ臭はどうすれば取り除くことができるでしょう。方法としては以下のようなものがあります。
1.消臭剤を使う
簡単に実行できるものとしては消臭剤を使用することでしょう。車用の消臭剤には、スプレータイプやスチームタイプ、置き型タイプなど複数のタイプがあります。
スプレー型は車内に噴射するだけでいいのでとても簡単ですが、消臭効果は限定的です。シートの生地にまで染み付いたタバコ臭にはあまり効果は期待できません。
しかし、急に友人が同乗することになったなど、とにかく手早く臭いの対策をとらなくてはならないというときには大いに役立つでしょう。
スチーム型は車内で消臭効果のあるスチームを充満させ、シートの生地の内部やフロアマット、天井、エアコンの内部まで消臭してくれるというものです。手間はかかりますが、効果はスプレータイプよりも高いとされています。エアコン内部などはこういったタイプでないと消臭は難しいのでエアコンの臭いが気になる方は是非使ってみてください。
昔からある消臭剤といえば置き型タイプです。置き型消臭剤は臭い物質をビーズやゲルなどといった、ろ材に吸着させるというものです。
スプレー型のような即効性には欠けますが置いておくだけで臭い物質を吸着し続けてくれるので持続性があるのがメリットです。
ただ、気を付けたいのが消臭芳香剤です。臭いを消臭するだけでなく良い匂いをふりまいてくれるというものですが、きついタバコ臭にフローラルの香りなどが混ざるとかえって不快な臭いになることがあるので、オススメは消臭効果だけを持つ消臭剤です。
2.消臭剤以外で臭いを取り除く
消臭剤以外でタバコ臭を消臭する方法としては、主に掃除です。特に徹底するべきは以下のようなポイントです。
車内を拭き掃除する(専用の洗剤を使う)
まずは徹底的に拭き掃除をします。ダッシュボードやドアの内張り、シート表面なども専用のインテリアクリーナーのような洗剤を使って拭き上げます。ウインドウの内側にもタバコのヤニがこびりついているので、そちらはウインドウクリーナーで取り除きます。
マットやクッションなどを天日干しする
マットや車内に置いていたクッションなどは、まず強力な掃除機でホコリなどを吸引します。ホコリにも臭いが染み付いているので徹底的に掃除機をかけます。
さらに、前述のインテリアクリーナーで表面を拭いたら、天日干しをして日光消毒もしましょう。日光にも消臭効果があります。さらに紫外線によってフロアマットに住み着いたダニを死滅させる効果も期待できます。タバコの臭いも気になるものですが、ダニの死骸やフンも悪臭の原因となるので合わせて処理しておくのがベストです。
エアコンのフィルターを交換する
前述のとおりエアコンのフィルターにもタバコ臭が染み付いている可能性があります。タバコ臭を完全に取り除くためにはエアコンフィルターも交換してしまいましょう。
エアコンフィルターは車種専用品がネット通販で購入可能ですし、多くの車種の場合グローブボックスの奥にあるフィルターカートリッジを入れ替えるだけなので作業も簡単です。
3.専門の業者に依頼する
掃除して消臭剤も使った。エアコンフィルターの交換もしてみた。それなのにタバコ臭がどうしても取れないという場合は、DIYでの処置の限界かもしれません。そんな場合は車内クリーニング専門業者にクリーニングを依頼してみましょう。
手洗い洗車などとセットのプランで、15,000円~30,000円で徹底的にクリーニングしてもらえます。さらにエアコン専門のクリーニングなども別途依頼できるのでそちらも試してみるといいでしょう。費用は掛かりますがDIYでクリーニングするよりも確実にタバコ臭を取り除いてもらえます。
タバコ臭を車内に残さないための対策
ここまではついてしまったタバコ臭の取り除き方についてご紹介しましたが、そもそもタバコ臭が車内に残らないようにする良い方法はないのでしょうか。考えられる方法としては以下のようなものがあります。
吸い殻は早めに片付ける
当たり前ですが臭いの原因となっているタバコの吸い殻をできるだけ車内に残さないようにしましょう。吸い殻はできるだけ早めに片付けるというのが基本です。臭いの原因を取り除きましょう。
天井もしっかりと消臭する
意外に見落としがちなのがヘッドライニング(天井)です。普段あまり気にすることはありませんが、タバコのヤニで黄ばんでいないでしょうか。掃除したつもりでもつい忘れがちですが天井もしっかりクリーニングしましょう。掃除機をかけ、毛足の中のホコリを取り、専用のクリーナーを使ってヤニを拭き取ります。
喫煙後は窓を開けて走行する
喫煙後、素早く換気をしてタバコの煙や臭いを車外に排出しましょう。運転席か助手席の窓を開け、さらに後席の対角線上の窓も開けると空気が流れやすくなると言われています。車内の空気はこまめに入れ替えるようにしましょう。
エアコンの外気導入を活用する
車外の空気と車内の空気を入れ替えるということなら、エアコンもできるだけ外気導入にするといいでしょう。内気循環のままにしていると、車内の空気が入れ替わらずタバコの臭いが車内にこびりつきやすくなってしまいます。
車ではタバコを吸わない
タバコの臭い対策として最も効果的で、なおかつ非常に簡単な方法が、車内でタバコを吸わないということ。当たり前ですね。タバコの臭いは同乗者に嫌がられますし、車の査定を下げてしまうことにもなるので、いっそ車に乗るときには禁煙にしてしまうというのはどうでしょう。
どうしてもタバコがやめられないのであれば、せめて、比較的臭いのおとなしい電子タバコを検討してみては。電子タバコならほとんど臭いが発生しません。ただし、非喫煙者の場合、電子タバコでも独特の臭いが気になるという方もいるようです。
まとめ
喫煙者には心地の良いものでも、非喫煙者にとっては悪臭でしかないタバコの臭い。密閉された車内でタバコを一本でも喫えば、たちまち煙と臭いが充満して、それが同乗者の大きなストレスにもなり得ます。そういったことは愛煙家であっても十分理解できるはずです。
自分以外にタバコを吸わない同乗者を乗せる機会があるのであれば、せめて消臭や掃除などといった臭い対策はやっておくべきです。車に乗るのは自分だけだから大丈夫、と思っていても、車を手放す際の下取り価格にも大きく影響するということも忘れてはいけません。
もしどうしてもタバコ臭を何とかしたいというのではあれば、タバコを止めるというのも一つの選択肢です。好きなものをやめるというのはつらいものですが、車にタバコ臭がつかなくなるうえ、健康にもいいですし経済的にもたばこ代の負担がなくなるなど良いことばかりです。いっそ禁煙を、この機会に検討してみるというのはいかがでしょうか。