2021年10月27日 (2021年10月29日 更新)
ブレーキパッドの交換時期は?交換サインや費用について解説!
ブレーキは車を安全に運転するために欠かせない装置。そんなブレーキの効きが悪くなると心配ですよね。特に「キーキー」という金属音が鳴るようになったら要注意です。
今回はブレーキの調子が悪いと悩んでいる人に向けて、ブレーキパッドの交換時期やサイン、費用について詳しく解説していきます。
INDEX目次
ブレーキパッドは車にとって重要!
ブレーキには「ディスクブレーキ」と「ドラムブレーキ」の2種類があります。そのうちディスクブレーキにブレーキパッドがあり、車を止めるための重要な役割を果たしています。
ここではブレーキの構造とブレーキパッドの役割について見ていきましょう。
車のブレーキパーツ
まずは減速したいとき、ドライバーがブレーキペダルを踏むところから始まります。
その後どのような構造でブレーキがかかる仕組みになっているのでしょうか。順番に確認していきましょう。
- ブレーキペダル→運転者が減速をしたいときに踏む
- ブレーキブースター→ペダルに加わった力がブースターに伝わる
- マスターシリンダー→ペダルを踏んだ力を油圧に変換する
- ブレーキフルード(油圧)→ブレーキキャリパーに伝達しピストンを動かす
- ブレーキキャリパー→油圧ピストンによりブレーキパッドを押す
- ブレーキパッド→パッドの摩擦によりディスクの回転を止める
- ディスクローター→タイヤとともに回転(ディスクローターを止めることで車にブレーキがかかる)
ブレーキパッドの役割とは
回転するディスクローターの動きを止めるための最終工程がブレーキパッドの役割となります。パッドをディスクローターの両側から挟んで摩擦を起こすことによってブレーキがかけられます。摩擦材であるブレーキパッドがすり減るとブレーキの効きが悪くなる原因のひとつ。ブレーキパッドは安全走行のための重要な役割を果たしているといえるでしょう。
ブレーキパッド交換時期の目安は?
車の安全走行には欠かせないことがわかっていても、どのタイミングで交換するのが適切なのかわかりづらいですよね。
ここでは、ブレーキパッドの交換時期の目安についてチェックしていきましょう。
ブレーキ音
もっともわかりやすいのは、ブレーキを踏んだときの異音です。
ドライバーに点検の必要性を知らせるためブレーキを踏む際、音が鳴る仕組みになっています。「機械式」か「電子式」でサインが異なります。
- 機械式・・・「キーキー」という異音がする
→ブレーキパッドがすり減ると「パッドウェアインジケーター」がディスクに触れ、金属音が鳴る仕組みとなっています。
※「カラカラ」といった異音はパッドが割れている可能性があり、非常に危険な状態です。速やかに点検を依頼しましょう。 - 電子式・・・警告灯の点灯でパッドの摩耗を知らせる仕組みです。輸入車や国産高級車に多く導入されています。
ブレーキパッドの厚み
タイヤのホイールから覗き込むことでパッドの厚さを目視で確認することも可能です。
タイヤ交換のついでに残量を確認するのもひとつの手でしょう。
ブレーキパッドの厚みは新品でおよそ10mmほど。これが5mm以下で要注意、およそ2~3mm以下で交換時期の目安になります。1mm以下になるとインジケーターが作動する仕組みになっており、非常に危険な状態です。ディスク本体を傷つける原因にもなるので、異音が発生する前にメンテナンスを行うのがおすすめです。
ブレーキフルードの量
ブレーキフルードとはいわゆるブレーキオイルのこと。ブレーキフルードの量が減っているのはブレーキパッドの摩耗が影響している可能性があります。
タンクに記載されている「MIN(LOWER)」が最低ライン、「MAX(UPPER)」が最高ラインなので、オイルがこの表示の間に収まっているかどうかを確認します。最低ラインを下回っていた場合はブレーキフルードの交換が必要です。一緒にブレーキパッドも確認することをおすすめします。またブレーキフルードは経年劣化するため、一般的に3~4年で交換が必要になります。
走行距離
ブレーキパッドはおよそ10,000kmの走行で1mm摩耗するといわれています。
安全に走行するためには軽自動車で40,000km~50,000km(5mm程度)、普通車で30,000km~40,000km(6mm程度)で交換を検討しましょう。
ただし、日常的な車の乗り方によって摩耗度が変わってくるので、走行距離との関係性はあくまでもひとつの目安として考えるのが良いでしょう。
ブレーキパッドはどこで交換する?
ブレーキパッドはいわば命に関わるパーツ。そのため、交換作業は運輸局長が認定した業者でしか行えません。依頼する場合は国の認証を受けている業者であるか、「自動車分解整備事業」などの標識がある整備工場などを選びましょう。
また、車検の際に交換を依頼することも可能です。車検時であれば点検のついでに交換できるため、その分工賃を安く済ませられるメリットがあります。
ブレーキパッドの交換にかかる費用は?
ブレーキパッドの交換費用はどのくらいになるのでしょうか。工賃相場についてチェックしてみましょう。
ブレーキパッド本体の価格
ブレーキパッドには前輪用と後輪用があり、それぞれ左右のタイヤ分で1セットとなります。ブレーキパッドの本体価格は軽自動車と普通車で異なります。
普通乗用車
純正品 8,000円程度
社外品 2,000円~5,000円程度
軽自動車
純正品 7,000円程度
社外品 2,000円~5,000円程度
※社外品は安価な上、Amazonなどのネットショップでも買えますが、保管状況等により経年劣化している可能性やパッケージに損傷があるなど品質の保証がないため注意しましょう。
業者別の工賃
続いて業者別の工賃を見ていきましょう。タイヤ1ヶ所あたりの料金だったり左右で1セットだったりと業者によっても費用の目安は異なるため、依頼前に工賃の内容を確認することをおすすめします。
カーショップ 5,000円~7,000円程度
整備工場 5,000円程度
ディーラー 10,000円程度
車検での交換費用は?
車検ではタイヤを取り外して点検するなど、ジャッキアップを用いて車の内部まで細かくチェックします。ブレーキパッドの交換作業もジャッキアップが必要となるため、車検時にあわせて依頼した方がスムーズに交換できるうえ、工賃の節約にもなります。車検のみならず、タイヤ交換などのメンテナンス時にチェックしてもらうのも良いでしょう。
ブレーキパッドの交換は自分でできる?
ブレーキパッドの交換は、自分の車に限りセルフで行うことが可能です。
基本的に使用する工具はホームセンターなどで手に入る身近なものではありますが、問題は作業スペースの確保でしょう。作業の際はジャッキアップの必要があるため、第一に平坦な場所でなければいけません。砂利の駐車場もジャッキが安定しないため非常に危険です。
交換作業自体も簡単にできるものではありません。特に初心者の人はハードルが高い作業となるでしょう。
ブレーキパッドは命にも関わる重要なパーツなので、プロに依頼した方が安心できます。
定期的にブレーキパッドは点検しよう
ブレーキパッドの摩耗は命に関わります。メンテナンスを怠ったゆえに、ブレーキが原因となる事故を起こしてしまわないためにも、定期的に点検を行いましょう。
またブレーキからの異音や警告灯の点灯など、不具合を察知した場合にも放置せず、速やかに点検を依頼することをおすすめします。
まとめ
今回はブレーキの調子が悪いと悩んでいる人に向けて、ブレーキパッドの交換時期や交換のサイン、その費用について解説してきました。
ブレーキからの異音や警告灯の点灯だけでなく、走行距離やブレーキフルードの残量からもパッドの交換時期を予測することができます。費用はそれなりにかかりますが、車検時に交換を依頼したり、パーツは社外品を使用したりするなど負担を減らすことができます。
ブレーキパッドは走行の安全性を保つうえで重要なパーツです。日常的なメンテナンスを怠らず、なるべく異常が発生する前の交換を意識していきましょう。