車は定期的に動かしてやることでそのコンディションは保たれます。エンジンをかけず、走ることもなく、長期間放置していると、徐々に調子が悪くなり最悪動かなくなってしまうこともあるといわれています。
しかし、仕事があまりにも忙しく、数か月間マイカーをまったく運転することができなかった。突然の海外出張や入院などで、しばらく車に触ることができなかった。などという経験をされた方はきっといるはずです。
もし、そのように長期間車を放置すると具体的にクルマはどのように劣化していってしまうのでしょうか。また1カ月から数カ月、車に乗ることができなくなったとき、どんなことに注意して車を保管すればよいのでしょう。
そんな、車の長期保管について、どんな問題が起きるのか、さらに気を付けるべきことや、やっておくべきことなどについて解説します。
INDEX目次
車に乗らない期間の許容範囲はどのくらい?
車、特に国産車は機械的な信頼性が非常に高く、よほどのことがない限り故障することは稀です。しかし、それはあくまで定期的に車を動かしている場合に限ります。長期間エンジンをかけることもなく、全く走らない状態で長期間放置されていれば車は徐々に劣化してしまうでしょう。
では、その期間がどれくらいになると問題が起きるのか。保管している環境や車のコンディション、車種によっても変わってきますが、だいたい1カ月以上放置していると、バッテリーやオイルなどに問題が起き始めるとされています。ただし、ある程度の頻度で車を使われているケースで、たまたま1カ月車に乗る機会がなかったというのであればおそらく大きな問題は起きないはずです。
とはいえ、できれば1週間に1度以上は乗車するのが望ましいといえます。仕事の関係で1週間忙しくて車に乗ることが全くできないということは珍しくありませんので、必ずしも1週間に一度乗らなくてはいけないということでもありません。
1週間に1度が難しいのであれば、せめて2~3週間に一度、ある程度の距離を走行するようにすればいいでしょう。
ただし、ただエンジンをかけてアイドリングさせるだけではだめです。しっかりある程度の距離を走行するというのがポイントです。タイヤやトランスミッション、サスペンションといったパーツにも負荷をかけてあげることが重要です。
車に1カ月以上乗らないリスクとは?放置する危険性を解説
前述のように1カ月以上、車に乗ることがなかった、ということが頻繁にあると、車には何か問題が起きる可能性があります。もちろん1カ月~数か月放置していても何の問題も起きないケースもありますが、目安として1カ月以上の放置は避けるのが間違いありません。ではどのような問題がおきるのでしょうか。
まず、エンジンを完全に停止してから1ヶ月もすると、エンジン内部のオイルが、オイルパンに落ちてしまいます。油膜がなくなればエンジン内部のフリクション(摩擦抵抗)増え、次回エンジンをかけた際に摩擦が起きて、パーツの摩耗が進む可能性があります。
また、油膜が失われることで、金属でできたエンジン内部のパーツが腐食したり、サビが発生することもあるかもしれません。
その他にも以下のような問題が発生する可能性があります。
バッテリーが上がる
車のバッテリーは何もしなくても自然放電していきます。だいたい1ヶ月ほど放置していると、放電が進みます。バッテリー自体が弱っているといざエンジンをかけようとしてもスターターが回らずエンジンがかけられないということになるかもしれません。
タイヤが劣化する
また、タイヤも劣化していきます。停車状態が長期間続くとトレッド面に一方向だけからの負荷がかかり、タイヤ内部の空気も徐々に抜けていくのでフラットスポット(タイヤのトレッド面の一部に平らに変形する現象)ができてしまう可能性があります。
フラットスポットができてしまうと走行時にゴトゴトとした振動が起こり、他の部分にも負担がかかることになります。
フラットスポットができるほど長期間の放置でなくても、タイヤのゴム部分も紫外線などによって徐々に硬化し、ひび割れが入ってしまうこともあります。そうなると本来の性能が発揮できず、スリップやバーストなどのトラブルにつながる可能性もあるのです。
エアコンが悪臭を放つ
湿気の多い梅雨や台風の季節に長期間放置されているとエアコン内部のエパポレーターにカビが発生してしまうこともあります。常に車を走らせエアコンを使っていれば、カビも生えにくいのですが、長期間放置されているとエアコンの内部に残った水分や湿気でカビが繁殖しやすくなるのです。
そして、しばらくぶりに車に乗って、エアコンを使ってみたら、車内にいやな黴臭さが充満してしまった、などということもあり得ます。カビは悪臭によって不快なだけでなく、健康被害にもつながりかねません。注意が必要です。
ガソリンが劣化する
ガソリンも長期間放置されていると劣化します。ガソリンが腐るなどともいわれていますが、実際には腐るわけではなく不純物の混入によって劣化、品質の低下がおきるのです。
劣化すると、ガソリンに含まれる「アルケン」という物質が、空気中の酸素に触れて酸化し、ギ酸や酢酸に変化しまったり、ガソリンの揮発成分が抜けて臭いが鼻をつく刺激臭に変わります。ガソリンの成分がギ酸や酢酸に変化すると、酸ですので、ガソリンタンクやエンジン内部の腐食にもつながります。
また、揮発成分が抜け粘り気のあるヘドロのような物質が発生してエンジン内部の配管などに汚れや詰まりを引き起こし、エンジンの故障などにつながることもあるのです。
ただし、そこまでガソリンが劣化するのは半年から1年という期間が必要です。1カ月程度の放置ではそうそうガソリンは腐るものではありませんので、1~2カ月程度ならそこまで心配する必要はないかもしれません。
車に乗らない状況が続く時にすべき対策
もし、今後、車に1カ月以上乗れないというような状況になるとしたら、劣化を防ぐにはどのようなことに注意すればいいでしょうか。
1週間に30分以上は走行する
できれば、機会を作り1週間に30分以上は走行するのが望ましいです。1カ月以上車に乗れない状況という前提なので、ちょっと無理がありますが、例えば家族や友人(任意保険でカバー可能な方に)に頼むといったことは可能でしょう。
バッテリーのマイナス端子を取り外す
車の長期放置で最初に訪れる不具合はバッテリー上がりです。長期間全く車に乗らないということが事前にわかっているなら、バッテリーターミナルのマイナス端子からバッテリーケーブルを外してしまうという方法があります。こうしておくことで自然放電を軽減することができます。
ただし、車は全く乗らない状態でも、時計やカーナビといった電装品の設定情報やATの学習機能、コンピューター等のメモリーにバッテリーの電気が使われています。バッテリーターミナルからバッテリーケーブルを抜いてしまうと、そういったものが全てリセットされてしまいます。
そのことによって、電装品に不具合が生じる可能性もあるので注意が必要です。例えば1カ月程度ではなく、3か月や半年、それ以上の長期間車に乗らないといった場合以外はやらないほうがいいかもしれません。
ガソリンタンクは満タンにしておく
ガソリンは長期間放置すると腐ってしまうと前述しましたが、1~2カ月程度ではほとんど品質は変わりません。それよりもガソリンタンク内に、ガソリンで満たされていない空間があると、水分を含んだ空気から結露が生じ、タンク内部が錆びてしまう可能性があります。
保管の際はできるだけガソリンタンクは満タンにしておきましょう。そうすることで結露の発生をある程度防ぐことはできます。ただし、半年や1年といった長期間全く車に乗れないという場合は、前述のとおりガソリンが劣化してしまう可能性があるので注意が必要です。
1カ月に1回はタイヤの点検をする
ゴムでできたタイヤも紫外線などによって劣化が進みやすい部分です。また長期間同じ姿勢で保管していると、タイヤのトレッドの一カ所にだけ負荷が集中してしまうので、できれば定期的にタイヤを動かしてやるべきです。
さらに、空気圧の確認や亀裂の有無なども定期的に行いましょう。1カ月に1度くらいを目安にやるべきですが、これは長期保管でなくても普段がから習慣づけておくことをオススメします。
サイドブレーキの解除
駐車中はサイドブレーキをかけておくのが基本(雪国などでは凍結を防ぐためのそうでない場合もありますが)ですが、長期保管の際は、サイドブレーキを解除しておいたほうがいいかもしれません。
その理由はサイドブレーキをかけっぱなしにしていると、サイドブレーキのワイヤーが伸びてしまったり、固着してしまう可能性があるからです。
ただし、サイドブレーキをかけない状態では、駐車中何かのきっかけ(強風や他車の衝突など)で車が動いてしまう可能性があるので、必ずタイヤ止めを使い、クルマが動かないように固定してください。
除湿対策をする
駐車場所が、湿気の多い環境である場合や、梅雨時に長期間保管する場合は、車内に除湿剤などを置いておくといいでしょう。こうすることでカビや錆びなどの発生を防ぐことができます。
長期保管サービスを利用する
長期保管の車を自分で管理するのが難しいという場合は、専門の業者に頼るということも検討しましょう。価格は業者や保管方法、定期的な点検の有無などサービス内容によって変わってきますが、国産車の場合なら、だいたい月額1万5,000~3万円程度かかるはずです。
主にクラシックカーや希少車の保管で利用するようなサービスですが、大切な車なのであればこういったサービスの利用を検討してもいいかもしれません。
ただ、その車に、そこまでの思い入れがなく、希少価値などもあまりない現行の車なのであれば、いっそ保管するのではなく売却してしまうという選択肢もあります。
長期保管に伴う車の劣化のリスクや管理の手間、メンテナンスの費用を考えれば、車を長期間使用しない(できない)となった時点で一度車を売却し、必要となったときにまた新たに車を購入するというのもいい方法ではないでしょうか。
月額費にメンテナンス費用がコミコミのジョイカルのカーリース
車の使用頻度がそれほど高くなく、ある程度の期間乗らないこともままあるという方は、いっそ車を購入するのではなく、カーリースを利用するというのはいかがでしょう。例えば、ジョイカルのカーリース「NORIDOKI」や「セブンマックス」などはおすすめです。
ジョイカルのカーリースなら、メンテナンス費用もコミコミなので、乗車機会が少なくても車を維持しやすいというメリットがあります。さらにそれぞれのカーリースには以下のような特徴があります。
『NORIDOKI』車検費用や税金の心配なしの3年カーリース
「NORIDOKI」は頭金不要、新車を購入してから3年後に訪れる車検のタイミングで乗り換えできるカーリースです。3年単位のカーリースなので車検費用も必要ありません!
つまり、その分の費用が節約できます。3年ごとに、新車に乗り換えることができるので、「NORIDOKI」なら長期保管によるコンディションの低下や故障などを心配する必要もほとんどありません。
NORIDOKIなら3年間の短期リースで新車に乗れます。車検のタイミングで別の新車で乗り換えできるのでおトクにご利用できます。
NORIDOKIの詳しい情報はこちら
『セブンマックス』車検やメンテナンス費用がコミコミ
「セブンマックス」は7年単位の長期カーリースサービスです。軽からLクラスミニバンまで幅広い車を多数取り揃えているというのが特徴です。長期のカーリースですので毎月の負担も軽く済み、1万円以下のプランも選べます。
さらに、自動車税や車検費用も毎月の定額利用料に含まれており、長く乗り続ける中でも突発的に発生する費用の負担が軽減できます。
そして、「セブンマックス」の月々のリース代金にはメンテナンス費用も含まれています。「セブンマックス」なら国の認証・指定工場で、資格をもった整備士が、リース車のメンテナンスをしてくれるので、車にあまり詳しくない方でも安心して任せることができるでしょう。
セブンマックスは、車検費用や維持費も込みの、7年間の長期リースです。軽自動車から普通乗用車まで人気の車種を新車でご利用できます。メンテナンス費用も込みなので、安心して乗り続けることができます。
セブンマックスの詳しい情報はこちら
まとめ
信頼性の高い国産車なら、1~2カ月くらい乗らずに放置していても特に問題はないだろうと、だれもが安易に考えがちですが、機械である車は、動かしていないと、徐々に劣化していってしまうものです。
数週間程度ならまず問題はないでしょうが、長期間乗れないことが事前にわかっているなら、ご紹介したような対策を是非行うべきです。何もしていない状態よりも車への負担は間違いなく減るので、劣化を抑えることができるはずです。
また、1カ月以上の長期間の保管した車に、久しぶりに乗るとなった場合は、できればディーラーで一度点検を受けることをおすすめします。タイヤやブレーキなどに不具合があれば、事故にもつながりかねませんので、十分気を付けましょう。