車のフロントガラスに車検期日を表記したステッカーが貼ってあるのを知っていますか?このステッカーを知らない人は多く、洗車やオイル交換などの際、車検切れや車検間近を指摘され慌てて車検受けを依頼するケースが少なくありません。しかし、車検切れの車を走行させると、罰則の対象となるため車検切れになった車をどう対処をすれば良いのか悩みます。
今回は、車検や保険の期限切れの状態運転した場合の罰則や車検切れした車の対処法について解説していきます。
INDEX目次
無車検車・無保険車とは?
車は、自賠責保険に加入し、車検に合格した後に公道を走行することが法律で定められています。無車検や無保険とは、車検や保険がない状態の車といういです。
それでは、無保険車、無保険車とはどのような状態の車なのか見ていきます。
無車検車とは?
無車検車とは、車検の有効期限が切れた車という意味です。車検の正式名称は「自動車検査登録制度」といい、法律で義務付けられている点検です。新規登録後3年、それ以降は2年毎に国が指定する保安基準を満たしてるかチェックして合格しなければ公道を走行することはできません。
仮に、無車検車で公道を走行した場合、道路運送車両法第58条1項、108条「無車検車運行」に該当します。
無保険車とは?
車検を受けるためには、必ず下記の3つの条件をクリアしなければなりません。
- 自動車税を支払っている
- 自賠責保険への加入
- 車検時に重量税をの納付すること
自賠責保険は、交通事故の被害者救済を目的としており国が車検時に加入を義務付けているため、車の場合、車検とセットされています。
自賠責保険に未加入の車で公道を走行した場合、自動車損害賠償保険法5条、86条の3「無保険車運行」に該当します。
無車検運転の罰則・罰金・違反点数は?
車検が切れた車で公道を走行することは法律で禁じられています。法律に違反する運転した場合、たとえ事故を起こさなくても、罰則が科せられるのは当然のことです。
無保険運転の罰則や罰金、違反点数は下記の通りです。
- 6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
- 違反点数6点
無保険運転の罰則・罰金・違反点数は?
車検と自賠責保険はセットと考えても過言ではありません。車検が切れていると、自賠責保険が切れているということに該当するケースがほとんどです。
それでは、自賠責保険が切れた状態で運転した場合の罰則、罰金、違反点数を見ていきます。
- 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
- 違反点数6点
無車検運転、無保険運転ともに免許証の違反点数は6点となるため、即免許停止処分となります。
無車検&無保険の両方で検挙された場合の罰則は?
前述にもありますが、車検と自賠責保険はセットと考えるため車検が切れていれば保険も切れているケースが大半を占めます。
それでは、無保険と無保険の両方に該当した場合の罰則について見ていきます。
- 1年6ヶ月以下の懲役または80万円以下の罰金
- 違反点数6点
無車検と無保険、それぞれの罰金の合計と懲役であれば重い方の刑期の1.5倍が科せられることが刑法併合法47条、48条で定められています。
車検切れした車の対処方法について
車検が切れた車は、公道を走行することができないため、そのままの状態で移動させることは不可能です。それでは、車検切れの車について対処方法を挙げていきます。
廃車・売却処理する
車検が切れた車を処分したい場合は、廃車手続きをするか売却処理を行います。買取業者に依頼すれば、自宅や駐車場まで車の査定から引き取りまで来てくれるので公道を走行することはありません。
仮ナンバーを取得する
仮ナンバーとは、車検切れの車を一時的に公道を走行させるために取り付けるナンバープレートのことです。仮ナンバーをつけるとこで、業者や運輸局までの移動が可能となります。仮ナンバーの貸出期限は5日間となっており、取得方法は下記の通りです。
- 自賠責保険へ加入する
- 最寄りの市町村役場で申請の手続きをする
(車検証・認印・運転免許証・自賠責保険証・手数料を持参すること) - 仮ナンバー取得
役場にある「自動車臨時運行許可証」に必要事項を記入して申請すれば貸し出してもらえます。市町村役場は土日祝が休みのため、平日に時間のない人は代行申請をしてもらいましょう。
引き取りサービスを利用する
車検を受けるのであれば、整備工場や車検専門店まで自分でも持って行きます。しかし、引き取りから納車まで業者が行う「引き取りサービス」を実施しているところを利用すれば、自分で持ち込まずに車検を受けることが可能です。
車検が切れた車の車検費用は変わる?
車検を依頼すると法定費用に車検基本料金、代行料が必要です。また、車に不具合が生じている時は別途部品整備代が請求されます。しかし、車検が切れた車を継続して車検する場合でも、延滞金や追加費用などは発生しません。
保険切れした車の再加入保険料について
前述の通り、仮ナンバー取得には自賠責保険加入が必須です。自賠責保険に再加入する方法は、コンビニや取扱店に申請をして保険料を支払います。自賠責保険は、国が加入を義務づけた保険で対人賠償のみ補償されるため、保険料は一律です。しかし、自家用車は1ヶ月単位での加入が原則で、保険料は普通車が5,240円、軽自動車は5,150円となります。
車検切れや保険切れを起こさないためには?
車検が切れてしまうと、公道を走行できず仮ナンバーを取得しなければ、自分で車を動かすこともできません。事故を起こさなくても、車検切れや保険の切れた車を走行させると重い罰則に科せられます。
車検切れや保険切れを起こさないために普段から車検の有効期限を把握することが重要です。フロントガラスに貼られた四角いステッカーや車検証に記載された有効期限を確認したり、保険の場合は保険証を確認するなど定期的にチェックをしましょう。
車検切れ・保険切れはすぐに対処しよう
車検や保険が切れた状態で運転すると思い罰則に科せられるだけではありません。仮に、事故を起こしてしまっても賠償することはできず全て自己負担となります。賠償金が支払えない場合には、家財の差し押さえや給与や賞与まで差し入れられ、さらに免許停止となるため働けない可能性もあります。
車検切れや自賠責切れが発覚した時には即座に対処することがドライバーの責務です。
まとめ
今回は、無保険車と無車検車を運転した場合の罰則や車検切れの際の対処法について解説してきました。車検切れや自賠責保険切れの車で公道を走行すれば、事故を起こさなくても重い罰則が科せられます。仮に、他の違反があれば免許停止だけでなく免許取消になる可能性もあるのです。万が一、車検切れや保険切れが発覚した時は、速やかに廃車手続きや仮ナンバーの申請、引き取りサービスへの依頼などの行いましょう。
車検切れで車を動かすことができず慌てないためにも、車の車検期日を把握しておくことが重要です。日頃から記載されたステッカーや車検証、自賠責保険証をチェックしておけば、余裕を持った継続車検が受けられます。