デリカ D：5の特徴

三菱デリカD:5は本格オフロードSUV並みの悪路走破性を持つ個性派Mクラスミニバンです。登場から16年が経過していますが、直線基調の武骨なスタイリングやオフロードでの優れた走行性能はアウトドアファンから高く評価されています。

2019年に外装や内装を大幅に改良するビッグマイナーチェンジが実施され、動力性能や走行安定性、燃費や安全装備などを大幅に進化させておりロングセラーモデルですがその魅力はライバルと比べても全く見劣りはしません。そんなデリカD：5の特徴について詳しくご紹介します

デリカD：5の魅力といえばその高いオフロード走破性でしょう。ミニバンながら優れた4WDシステムを搭載しており、さらに悪路での走破性を考えて最低地上高余裕を持たせているため他のミニバンでは走ることのできない悪路や山道、雪道などでも高い走破性能を発揮してくれます。これはライバルミニバンにはない特徴であり最大の魅力といえるでしょう。

また、全長4,800㎜×全幅1,795㎜×全高1,875㎜という適度なサイズ感を持ちながら広い室内空間が確保されているのも大きな魅力です。特にセカンドシートは非常に広く快適性は抜群。長距離ドライブでも疲れにくいうえ機能性が高く荷物の積み込みもしやすいのでキャンプなどにも最適です。また、燃費の良いディーゼルエンジンを搭載しているため、経済性も高いという点も大きな魅力です。

他にもダイナミックシールドがコンセプトのインパクト満点の個性的なデザインもデリカD：5ならではのものです。この直線基調のワイルドな見た目も多くのファンの心をひきつけています。

デリカD:5はビッグマイナーチェンジの際にグレードが整理され、パワーユニットはディーゼルのみとなっています。また駆動方式も4WDのみとなり装備の充実した上級グレードのみの展開となっています。車両価格は以下のようになっています。

●デリカD：5価格
M／4,001,800円
G／4,103,000円
G-Power Package／4,339,500円
P／4,475,900円
特別仕様車JASPER／4,562,580円

●デリカD：5アーバンギア価格
G／4,230,600円
G-Power Package／4,467,100円
P Edition／4,577,100円

現行のデリカD:5は装備が簡素な廉価グレードは設定されておらずどのグレードも装備が充実しています。駆動方式は全車4WDとなっており、前後輪への駆動力を適切に配分する「4WDオート」、強力なトラクションを発生させて滑りやすい道での走破性を高める「4WDロック」、燃費優先の軽快な走りを実現する「2WD」の3種類の走行モードが選べる「ドライブモードセレクター」が装備されています。その他の装備としては以下のようなものが全車に標準装備となっています。

• マルチLEDヘッドライト（ハイ/ロービーム、光軸自動調整機構付）
• マルチインフォメーションディスプレイ
• 本革巻ステアリングホイール＆シフトノブ
• ステアリングヒーター
• 左右独立温度コントロール式フルオートエアコン（クリーンエアフィルター付）
• 汚れプロテクト（ベージュ内装のみ）
• アクティブスタビリティコントロール［ASC］

この中で歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようにステアリング・ブレーキ操作をサポートする「プロアクティブドライビングアシスト」は新型ノアとヴォクシーがトヨタ車として初採用の機能です。

さらに、Xグレード以外に設定されているメーカーオプションの「アドバンストパーク」は、車外から専用スマートフォンアプリの操作で、遠隔で駐車や出庫が可能となる機能でハイブリッド専用の装備ですが並列駐車や縦列駐車が不得意な方にとっては非常に便利でしょう。

デリカD:5のパワーユニットは、ガソリンエンジンが廃止され現在は全車2267㏄ディーゼルターボエンジンのみとなっています。最高出力は107kW（145PS）/3500rpmで最大トルクは380 N･m（38.7 kgf･m）/2,000rpmと、オフロード走行に適した低速トルクの厚いエンジンとなっています。

車高があるため重心も高いですが、直進安定性にも優れており、またディーゼルエンジンは中間加速性能が高いのでロングドライブもストレスを感じさせません。車体が大きくアクセルに対してのレスポンスはそれほど鋭くないので街中をきびきびと走るということにはあまり向いていませんが、静粛性が高く乗り心地もフラットでとても快適です。

安全性に関してはマイナーチェンジで機能が強化されており三菱の予防安全技術「e-Assist」が採用されました。以下のような機能が標準装備となっています。こちらもライバルに全く見劣りすることはありません。

• 車線逸脱警報システム
• レーダークルーズコントロールシステム
• 衝突被害軽減ブレーキシステム
• オートマチックハイビーム
• 後側方車両検知警報システム（レーンチェンジアシスト機能付）
• 誤発進抑制機能（前進時）

この中で歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようにステアリング・ブレーキ操作をサポートする「プロアクティブドライビングアシスト」は新型ノアとヴォクシーがトヨタ車として初採用の機能です。

さらに、Xグレード以外に設定されているメーカーオプションの「アドバンストパーク」は、車外から専用スマートフォンアプリの操作で、遠隔で駐車や出庫が可能となる機能でハイブリッド専用の装備ですが並列駐車や縦列駐車が不得意な方にとっては非常に便利でしょう。

ノデリカD：5のWLTCモード燃費は12.6㎞/Lです。素晴らしく良いというわけではありませんが2tという重めの車重を考えれば悪くないでしょう。ディーゼルエンジンのため燃料は軽油なのでガソリンよりも安く燃料費を低く抑えることが可能です。

デリカD：5のグレード構成は比較的シンプルです。パワーユニットはディーゼルのみで駆動方式は4WDのみです。タイプとしてはベースモデルのデリカD：5とエアロパーツを装着したデリカD：5アーバンギアが設定されています。

ベースモデルはSUV的なワイルドなエクステリアが特徴です。対してアーバンギアは都会の街並みに溶け込みやすいクールなイメージのデザインが特徴です。ただし機能的には差はなくボディサイズや最低地上高などは同一です。それぞれに以下のようにエントリーグレードのMから最上級グレードのPまでのグレードが用意されています。

●デリカD：5
Mグレード
Gグレード
G-Power Packageグレード
Pグレード
特別仕様車JASPER

●デリカD：5アーバンギア
Gグレード
G-Power Packageグレード
P Editionグレード

デリカD：5は唯一無二の個性を持ったミニバンのため似ているクルマというとあまり思いつきません。ライバルとしては同じMクラスミニバンのトヨタのノアとヴォクシー、日産のセレナ、ホンダのステップワゴンなどになるでしょう。むしろトヨタRAV4や日産エクストレイル、スバルアウトランダーといったFFベースでオフロードにも強いSUVや、3列シートを持ったSUVのマツダCX-8などが比較対象となるかもしれません。

広い室内を持つMクラスミニバンのデリカD：5はファミリーカーとしても適しています。加えて他のMクラスミニバンにはない優れた走破性が大きな特徴となっているので、家族でキャンプやアウトドア系の趣味を楽しんでいるような方にはぴったりではないでしょうか。

また、そのワイルドで個性的なデザインもとても魅力的なので、ミニバンは必要だけど、ファミリーカーイメージの強い普通のMクラスミニバンでは物足りない、そんな方にもおすすめできます。

ミニバンとしての高い機能性を持ちながら、オフロード走行も可能な優れた4WDシステムを持ち、マルチに使える個性派MクラスミニバンのデリカD：5は登場から16年も経過したロングセラーモデルながらいまだにその人気が衰えることがありません。その唯一無二の個性が多くのファンの心をひきつけているからでしょう。

ライバル車種は次々と進化し、ハイブリッドモデルも増えていますが力強い走りが味わえるうえ燃費も良く経済性の高いディーゼルエンジン味わえるという点はライバルに対してアドバンテージといえるのではないでしょうか。今の時代トルクフルな走りが味わえるディーゼルエンジン車に乗ることができるというのは、デリカD：5の魅力をさらに際立たせています。

単純にミニバンとしての機能を考えれば、最新スペックのライバル車に見劣りする部分もないわけではありませんが、デリカD：5のその個性的な魅力を考えれば、ライバルとは一味違う特別な存在といっていいのではないでしょうか。