ジムニーシエラの特徴
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ジムニーシエラとは?
スズキのジムニーシエラは、コンパクトサイズながら圧倒的な走破性を誇る本格派のクロカン4WD車です。小型SUVといわれることもありますが一般的なSUVのようなモノコックボディではなく、頑丈なラダーフレームを使用したクロスカントリーカー(オフロード車)であり、その悪路走破性は国産車の中でも随一です。日本だけでなく世界中にもファンを持つ、スズキのベストセラーモデルでもあります。
兄弟車には軽自動車のジムニーがありますが、ジムニーとジムニーシエラは基本的な部分は共通で、軽のジムニーの車体をベースに4気筒1.5リッターエンジンを搭載した普通車規格のジムニーがジムニーシエラと考えるといいでしょう。そんなジムニーシエラの特徴について詳しくご紹介します。
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ジムニーシエラの魅力
まずそのシンプルで機能的なスタイリングはとても魅力的です。オフロード4WD車らしく真四角で武骨、丸目のヘッドライトはミリタリーテイストもありますしその質実剛健なスタイリングは個性の塊です。車のスペックなどを知らずにそのデザインだけでジムニーシエラの魅力に取りつかれてしまう方もいるくらいです。
そんな真四角なボディはアプローチアングルやデパーチャーアングルを重視した結果で、オフロード走行時にボディが路面と接触しないように考え抜かれたもの。あくまで機能から来た形でオフロード車っぽい演出などでは決してありません。
また、大きなウインドウは周囲の状況を目視しやすく見切りもよいので、狭い林道などでも確実に走破することができます。そのように機能を突き詰めた結果、他にはないジムニーシエラの個性的かつ魅力的なスタイルにたどり着いたというものです。
同じく機能性を重視したインテリアデザインも魅力といえます。オフロード走行を考慮して、水平基調で力強い骨格のインパネデザインを採用しおりメーター回りにはツヤを落として太陽光の反射を抑えるシボ加工が施されています。また、助手席の正面にはオフロード走行時に同乗者が身体を支えられるがっちりとしたグリップも装備されています。
どのような車両姿勢でも可能な限りの視認性を確保するためフロントドアのベルトライン、ドアミラー付近に段差を設けて視界を拡大する工夫なども施されており、シート表皮には全車に撥水加工されたファブリックを採用。とにかくオフロードの走破性を重視した質実剛健な設計、デザインとなっています。
そしてもちろん走破性も圧倒的です。頑丈な梯子型のフレームで、4WDシステムは伝統の副変速機付きのパートタイム4WDを採用。パートタイム4WDはスマートさには欠けますが前輪と後輪をシンプルな構造で直結するのでたとえ前輪や後輪のどちらかが空転しても駆動力を確保できます。つまり路面の条件が悪いほどポテンシャルを発揮してくれます。
サスペンションは左右の車輪をダイレクトにつなぐリジッドアクスル式で、凹凸路でも優れた接地性と大きな対地クリアランスを確保。作りも堅牢なので過酷な使用環境にも耐える信頼性を持ち乗用車ベースのSUVでは走破できないような本気のオフロードでも路面をとらえることができます。さらに電子制御のブレーキLSDトラクションコントロールを標準装備しているので高い脱出性能も実現。そんな本気のオフロード性能はジムニーシエラならではの最大の魅力といえるでしょう。
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ジムニーシエラの値段
ジムニーシエラはグレードがJCとJLの2種類のみです。価格はJCの5MTが1,985,500円で4ATが2,084,500円。そしてエントリーグレードのJLの5MTが1,863,400円で、4ATが1,962,400円です。軽自動車のジムニーと比較すると、およそ18万円高いという設定になっています。
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ジムニーシエラの基本装備
ジムニーシエラは本格派のクロカン4WD車なので装備はシンプルです。ただフルオートエアコンや運転席/助手席シートヒーターは全グレード標準装備で、オートライトやマルチインフォメーションディスプレイも装備されるなど基本的な快適装備は搭載されています。
上級グレードのJCではその他15インチアルミホイールや本革巻ステアリングホイール、メッキのエアコンルーバーやドアハンドルなどの加飾装備も追加されます。
そのほかブレーキLSDトラクションコントロールやヒルホールドコントロール、ヒルディセントコントロールなどといった走破性のための装備に関しては全グレードに標準装備となっています。
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ジムニーシエラの走行性能と安全装備
ジムニーシエラのエンジンは1.5Lの直列4気筒エンジンで、ターボは装着されていません。スペックは最高出力75kW(120PS)/6,000rpm、最大トルク130N・m(13.3 kg・m)/4,000rpmとなっています。
兄弟車のジムニーに比べると、ジムニーシエラのほうがやはりパワフルでトルクも厚く十分な動力性能を備えています。オフロード走行では頼りになるはずです。重心も高くサスペンションが良く動く上、風切り音なども大きいので高速道路などの走行ではさすがに余裕があるとはいえませんが、十分こなすことは可能です。軽自動車であるジムニーよりも余裕があるのは間違いないでしょう。
安全装備に関しては現代の車だけあって充実しています。予防安全パッケージのスズキセーフティサポートが標準装備されていて、単眼カメラとレーザーを使用した衝突軽減ブレーキや車線逸脱警報機能、標識認識機能、誤発進抑制機能、ふらつき警報機能、先行者発進お知らせ機能などが全グレードにセットで装着されています。
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ジムニーシエラの燃費
ジムニーシエラのWLTCモード燃費は5MTが15.4㎞/Lで、4ATが14.3㎞/Lです。5MTのほうが燃費が良いのはATが4速ATと今どきのATのような多段化がされていないためでしょう。このクラスの(ジムニーに搭載できる)縦置きATは選択肢も少ないのでスペックが古いのは仕方がないとはいえ、今どきATのほうがMTよりも燃費が悪いというのは珍しいかもしれません。
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ジムニーシエラのグレード
ジムニーシエラのグレード構成はとてもシンプルです。JCとJLの2種類のみで、それぞれに5MTと4ATが設定されています。
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ジムニーシエラと似ている車
1.5Lクラスの本格的なクロカン4WD車というのはジムニーシエラの他にはありません。兄弟車としてジムニーがあります。その他の似た車、ライバルとしてはコンパクトサイズのSUVになるでしょう。トヨタのライズやヤリスクロス、ライズの兄弟車であるダイハツのロッキー、スズキのクロスビーなどがライバルといえるかもしれません。
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ジムニーとの違い
ジムニーシエラとジムニーは兄弟車で車体やフレーム、サスペンションなどに関してはほぼ同じものです。違いとしては、ジムニーシエラが1.5Lエンジンを搭載する普通車なのに対して、ジムニーは660㏄エンジンを搭載する軽自動車ということでしょう。そのため動力性能ではジムニーシエラのほうが余裕もがあります。
車体サイズもわずかに違いがありますがこれはオーバーフェンダーが装着されているためで、フレームもボディもほぼ同じです。そのため車内のスペースもジムニーシエラはジムニーと変わりません。
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ジムニーシエラが向いている人
ジムニーシエラはコンパクトながら本格的なオフロード性能を持つクロカン4WD車です。そのため山道など悪路を走行する機会の多いという方にはこれ以上ない相棒となってくれるでしょう。エンジンの排気量は1,500㏄と軽自動車のジムニーに比べて動力性にも余裕があるので長距離走行も快適とは言えませんが十分こなせます。
ソロキャンプやスキーやスノボ、アウトドアスポーツの足としても活躍してくれるはずです。ただ、3ドアで車内も狭いので2人以上での乗車は難しくファミリーカーとしては厳しいかもしれません。余裕がある方であればセカンドカーとして所有するというのも良い選択かもしれません。
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まとめ
ジムニーシエラは悪路走破性をとにかく重視した本格派のオフロード4WD車であり、他に類のない個性的な一台です。そのため指名買いをする方がほとんどで、登場から5年もたっていますがいまだその人気は全く衰えていません。確かにその質実剛健なスペックや武骨でありながらスポーティでクールなデザインは非常に魅力的です。
手に入れることができればそのリセールバリューも抜群ですので長く楽しめることは間違いないでしょう。